熱中症対策のつもりが…水分補給のNG例5

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 むやみに飲むと、超危険。

 38℃、39℃という猛烈な暑さが続いていますが、ニュースなどで騒がれている「熱中症対策」は万全ですか?

 熱中症を予防するためには、「水分対策」が最も重要。しかし、むやみに水分を摂ろうとして、正しい対策になっていないケースもあるんだとか。そこで今回は、よくありがちな「水分補給の間違い5例」をご紹介してみたいと思います。

◆(1)とにかく「水・お茶」を飲む

⇒かえって熱中症の引き金になる可能性あり!

 熱中症予防には、とにかく「水分」と信じこみ、「水」や「無糖茶」ばかり飲んでしまうのは要注意。「自発的脱水」と呼ばれる症状を引き起こしてしまいます。

 これは、水を飲んで大量に汗を書いた時、血液中のナトリウム濃度が下がるのを防ぐために、発汗量に見合った分の水を飲めなくなるようにカラダが反応・調整してしまう現象。結果、水を飲む気持ちがなくなり、結果として熱中症につながってしまうことに。

 正しくは、「水」だけでなく、適度な「塩分」と「糖分」をこまめに摂取しなければなりません。日本体育協会では、0.1〜0.2%の「食塩」(ナトリウム40〜80mg/100ml)と「糖質」(1時間以上運動をする時は4〜8%)を含んだ飲料を推奨しています。

◆(2)エナジードリンクを常飲する

⇒熱中症対策ドリンクではないので要注意!

 暑さで疲れを感じた時、パワーが欲しくて安易に選びがちなのが、「エナジードリンク」。大概のエナジードリンクは、「カフェイン」が大量に含まれていて、その覚醒作用が眠気・倦怠感を和らげてくれます。

 しかしこれは、熱中症対策のために作られた飲料ではなく、欲しい塩分は含まれません。また、大量の砂糖が含まれているため、注意が必要。「なんとなく元気になったから大丈夫」という感覚的な過信は、全く役立ちません。

◆(3)スポーツドリンクを薄めて飲む

⇒水分と塩分・糖分のスムーズな吸収が損なわれてしまう可能性あり!

 熱中症対策として、ポカリスエット(大塚製薬)やアクエリアス(コカ・コーラ)などの「スポーツドリンク」を選ぶのは賢明ですが、「吸収が早くなるかも!?」、「甘くてカロリーが心配」などの理由で、薄めて飲んでしまうと、無意味になってしまう可能性が。

 スポーツ飲料は、カラダ本来の体液組成に基づいて各成分(電解質・糖分など)の濃度が調整されているため、薄めてしまうと、これらのスムーズな吸収が損なわれてしまいます。ペットボトルタイプのものは、薄めずにそのままを。パウダータイプのものは、規定通りの調合をすることが正解です。

◆(4)スポーツドリンクを凍らせて飲む

⇒濃度が不均一になるのでNG!

 そもそもペットボトルタイプのスポーツ飲料をそのまま凍らせると、中の液体が膨らんで容器破損の恐れがあるため、要注意。また、うまく凍らせたとしても、飲料全体の濃度が不均一(上部が薄く下部が濃くなる)になってしまうため、溶かしながら飲むと、せっかくの効果が期待できなくなってしまいます。

 大量の氷を入れてキンキンに冷やすのも避けたほうが良いでしょう。温めて飲む分には問題ありません。

◆(5)経口補水液をむやみに飲む

⇒軽〜中度の脱水症状に適した飲料。平時には「塩分」に注意!

 嘔吐や下痢などを伴う風邪をひいた際に医療機関から勧められる「経口補水液」。これは、脱水時に不足する電解質を含み、素早く吸収できるよう、糖質(ブドウ糖)が少量配合された飲料のことで、熱中症対策に飲もうとしている人も。

 しかしこの飲料は、健康状態を良くするものではなく、スポーツドリンクなどの飲料に比べて塩分が多く含まれている(1.5g程度/500ml)ことを念頭におくことが重要です。

 脱水状態になりやすい状況や、軽〜中度の脱水状態に陥った際には有効ですが、通常時に水代わりとしてガブガブ飲むドリンクではありません。

 もっとも大事なのは、熱中症についての正しい知識と対処法。最近では、わかりやすく整理された情報サイトが充実していますから、要チェックしてみてはいかがでしょうか?

【熱中症対策についての詳しい情報サイト】

(1)環境省
熱中症の正しい知識と予防と対処法(動画アリ)
http://www.youtube.com/watch?v=u7lBvgrZd3o

(2)大塚製薬(株)
熱中症からカラダを守ろう
http://www.otsuka.co.jp/health_illness/heatdisorder/

(3)日本コカ・コーラ(株)
小・中・高校生向け熱中症対策情報(動画アリ)
http://heatdisorder.com/

<TEXT,PHOTO/スギアカツキ>
【スギ アカツキ】
東大卒の食文化研究家。長寿美容食研究家。在学中に基礎医学や生命科学を学ぶ。さらにオーガニックや久司マクロビオティックを学び、独自で料理研究をはじめる。モットーは「長く美しくを、簡単に」。忙しい現代女性に合わせた健康メニューが得意。ヨガ教室や人気ブログ(http://saqai.com/)も手がけている。