■レストランやバー併設の高規格キャンプ場も

 キャンプ旅が文化として根付いているヨーロッパやアメリカ、オーストラリア・ニュージーランドでは、高級ホテルしかないリゾートエリアでも、すぐそばに設備が整ったリーズナブルなキャンプ場があり、気軽にそのエリアならではの雰囲気に浸ることができる。キャンプ場とは言ってもWi-Fi、ランドリーは完備しているし清潔。レストランやバー併設も珍しくない。春〜秋なら不便はないし、場内のバーやサロンではローカルの人から遊びやお得な情報を教えてもらえることもある。日本同様、電気料金を支払えば使えるのでスマホやデジカメの充電問題もクリア。

 GoogleMapでキャンプ場を検索→メールで予約ができるなど、思っている以上に海外のキャンプ旅はハードルが低い。この夏の円高を利用して海外へ出かけるなら、キャンプ場を宿泊施設のひとつとしてとらえて巡ってみてはどうだろう。

円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
場内にある売店やレストランで生ビールを楽しめるキャンプ場は珍しくない。飲酒運転の心配をせず、冷たいビールを飲めるのがありがたい
http://www.camping-bannwaldsee.de

円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
コテージや常設テントなら、ホテルのようなステイを楽しむことも可能。このテントは1泊ふたり250オーストラリアドル
http://www.murphyscreekescape.com.au

円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
キャンプ場とは少し違うけれど、ドイツには森の樹上で眠るという変わり種プログラムもある。こうした宿泊プログラムを利用するのも楽しい
http://www.waldseilgarten-hoellschlucht.de

円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
朝食や夕食の食材を用意してもらうサービスは、スーパーよりもやや割高だが、ほぼ使い切りサイズなので旅行者にありがたい

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自分のトレーラーを設置してひと夏を過ごすファミリーがいたり、リタイヤしたご夫婦がキャンプ場に住んでいたりするので、コインランドリーを設置しているキャンプ場は多い

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テント専用サイトはじつにシンプル。受付で区画の番号をもらい、そこにテントを建てるシステムだ。なかにはトレーラーやキャンピングカー専用のキャンプ場もあるので、テント用サイトがあるか、事前に問い合わせておくと安心

■非英語圏は通訳アプリ必須

 気になるのはキャンプ場のセキュリティーだが、WEBサイトを開設していてメールで予約ができる施設なら、カードキーでゲートを開閉する仕組みがほとんど。外部の人が浸入しづらいシステムになっている。ゲート前の駐車場にクルマを止めて受付をするのは、日本のキャンプ場と同じだ。
 
 予約も受付も、現地の言葉または英語。カタコト英語で十分通じるが、思いのほか手こずるのが洗濯機やコインシャワーだ。非英語圏では洗濯機やシャワーの表示も、使い方の説明書も英語ではない。辞書アプリを駆使したり、それでもわからないときは受付や近くにいる人に教えてもらおう。

円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
ドイツ製洗濯機は表示が細かい。洗濯機はコインを入れた枚数で稼働時間が変わるシステムが多く、KOCH- やPFLEGELEICHT の30〜40℃で約4ユーロ、60〜90℃なら約5ユーロ。乾燥機は1回約4ユーロ。FEINWÄSCHEの30℃で洗うと1ユーロですんだことも。

<表示>
KOCH-/BUNTWÄSCHE=煮沸/色物
PFLEGELEICHT=軽い汚れ
FEINWÄSCHE=デリケートな製品
WOLLE=ウール製品
SCHLEUDERN ABPUMPEN=脱水 排水
WEICHSPÜLEN SPÜLEN=柔軟剤 すすぎ
ZEIT-VORWAHL=予約

円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
予約も受付も簡単な英語で大丈夫。まれに予約が通っていない場合があるので、予約メールをプリントして持っておきたい

■有料道路の支払い方法は事前に調査

 海外のキャンプ旅で欠かせないレンタカーだが、アメリカは赤信号でも右折OKだったり、ヨーロッパやオーストラリアは信号機の代わりにラウンドアバウト(環状交差点)が多く採用されているなど、国によってルールや交通事情が異なる。
 
 とくに注意したいのが有料道路の支払いだ。支払いゲートがあるとは限らず、例えばオーストラリアはE-Tollがないレンタカーは対応路線を走行したら48時間以内にパスを購入しなくてはならないし、ドイツのアウトバーンは無料だけれど、オーストリアやスイスなどに入る前にガソリンスタンドでステッカー(ヴィニエット)を購入しなくてはならない。いずれも1日の通行料は数百円なのだが、うっかり払い忘れると高額なペナルティーが待っているので、事前に調べておきたいことのひとつだ。
 
 また、ヨーロッパのレンタカーはマニュアル車が主流。6速マニュアルの場合、誤操作防止のためにシフトレバーを押し下げたり、シフトブーツの下の取っ手を上げながらバックギアに入れるクルマがあり、カーナビの言語設定とあわせて悩むところだ。ひとりで駐車場に向かい、勝手にクルマを探し出して出発するシステムでは途方に暮れてしまうが、必ず駐車場にはスタッフがいる。出発前に操作について確認しておこう。
 
円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
好きな場所に行けるレンタカーだが、事故や盗難等トラブルの心配はある。保険はフルカバーが正解だ

円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
日本のようにスタッフが貸し出し・返却を付き添わない場合も多々ある。出発前と返却後にデジカメでクルマの外装の写真を撮っておくと安心だ

円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
アウトバーンでは料金ゲートがないと気づかず入国してしまうことも。取り締まりしている場所があるので、忘れずにヴィニエットを購入しよう

■雨に備えて最終日はホテル泊

 「海外でキャンプを」と計画する際に頭を悩ますのが何を持っていくか。航空機に持ち込める荷物は重量・個数に制限があるので、日本から持っていく道具は、テント、寝袋、マット、クッカー、バーナー、調理用ナイフなど一人分約5kgに収めたいところ。
 
 ライターやマッチ、燃料は機内に持ち込めないので現地で手に入れる。もともと日本のガスバーナーはヨーロッパの規格を手本にしてきたので、ヨーロッパではOD缶が手に入るのだが、口金の形状が微妙に異なる場合がある。また、ドイツではカセットガスを用意しているアウトドアショップはあったが、確実に手に入るとは言えない。結局、安心して使えるのはガソリンや灯油のバーナーだ。
 
 折りたたみ式のクーラーバッグは、使い切りサイズがあまりない食品の保管が楽。スーパーではレジ袋が有料の場合が多く、ショッピングバッグ代わりにもできるので持っていってもいいだろう。一方、夏のヨーロッパであれば日没が21時ごろで22時くらいまで薄明るい。そのため、ランタンがなくても、小さなライトがあれば事足りる。
 
 なお、最終日はホテル泊が正解だ。雨で濡れた場合、テントをどう持ち帰るか頭を抱えてしまうから。ホテル泊なら、ベランダに広げて乾かしたり、自前のタオルで雨を拭き取ることも可能。早めにチェックインして落ち着いて荷物を整理するよう、余裕を持たせたスケジュールを立てよう。

円高の今こそ行ってみたいヨーロッパキャンプ旅のススメ
キャンプ道具はシンプルに。食事はキャンプ場のレストランや売店を利用するが、朝晩は冷え込むので小さなバーナーとダウンベストがあると安心

文/大森弘江