松屋が「百貨店の外へ」顧客視点で新事業を積極開発

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 2019年に創業150周年を迎える松屋が、百貨店の枠を超えた新規事業に取り組んでいる。湾岸エリアの居住者などターゲットを絞り込み、顧客の組織化やイベントを開発。「顧客視点」をキーワードに、一人ひとりの客のニーズに合わせた"One-to-One"の取り組みを通じて新規顧客の獲得を目指す。 松屋が新事業で「百貨店の外へ」の画像を拡大

 松屋銀座は、近年開発が進む江東湾岸エリアの人口が増加していることに着目。店舗は江東区に隣接した中央区に位置するが、地下1〜2階の食品売場を中心に湾岸エリア居住者の客が増えていることから、「世帯収入が1,500万円〜2,000万円、30代の共働き夫婦で小学生以下の子持ち、堅実だが食と教育には出費を惜しまない」といった顧客モデルを想定し、湾岸エリアで"食と知育"にスポットを当てたイベントを企画。7月には勝どきの「食べる・買う・学ぶ・体験」ができる都市型マルシェ「太陽のマルシェ」に出展し、浴衣にまつわるトークやワークショップを開催した。松屋事業開発部の柴田亨一郎 開発営業課長は、その目的について「売上ではなく地域の方々に喜んでもらうことで、松屋銀座のファンを増やせたら」とし、今後も街ぐるみの企画を検討していく。 その他の新事業として、軽井沢の別荘の管理会社と協業しリビング用品のトータルコーディネートを提案するサービスや、中央区・港区・千代田区の上場企業の部長職以上に向けたクローズドなオーダースーツのメンズクラブなどを開発。いずれも百貨店の外で顧客を組織化し、オーダーメイド感覚でサービスを提供する。O2O(オンライン・ツー・オフライン)施策としては、オーダースーツのデータベースを活かしてオンラインで購入できるようなカスタマイズ特化型ECの立ち上げや、中国をはじめとする海外のマーケットに対して越境EC事業も検討。今井幸夫 執行役員は「松屋銀座は売上規模では他の百貨店に引けを取るが、他にない品ぞろえで支持されてきた。しかし、単に流行の商品を並べてお客様を待っているだけでは勝てない時代。ターゲットを絞り積極的に外に出て、顧客目線で強い関係性を築いていく」とし、節目となる150周年を目前に松屋ブランドの信頼を「共感」に変える取り組みを強化する。【関連】松屋銀座がエリア最大1000枚の浴衣を販売 街と連動したイベントも■松屋:公式サイト