連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第19週「鞠子、平塚らいてうに会う」第112話 8月11日(木)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原拓 橋本万葉


今日の平塚らいてう


平塚らいてう(真野響子)の随筆のタイトルが「胡麻じるこ」。
本文中に、胡麻じるこの作り方 という見出しがあって、モチーフになった「暮しの手帖」ではそっちがタイトルだったみたいだ。
胡麻じるこ あまりにシンプル過ぎないかと思い、このように潔く食品名のみのタイトルを検索してみると、あるはあるはーー。

曲では「カレーライス/遠藤賢司」とか「セロリ/山崎まさよし」とか「クリームシチュー/矢野顕子」とか、書籍では「にんじん/ルナール」とか「だいこん/山本一刀」とか「とんかつ/三浦哲郎」とか「モヤシ/椎名誠」とか「すしそばてんぷら/藤野千夜」とか「鮨/岡本かの子」とか「チキンスープ・ライスいり/センダック」とかけっこうあった。
食べ物の名まえ、一点押し。シンプルだけど力強く生活に根ざしたタイトルなのだ。

出来上がった雑誌のカットを一時停止で読むと、平塚らいてうの略歴が書いてある。
彼女の詳細はここでという制作側の良心か。もはや細かいのか大雑把なのかよくわかんない。

モーレツ 水田のお父さん


朝早くから甲府へ、水田(伊藤淳史)の両親に挨拶に行く鞠子(相楽樹)。
ご両親に気にいってもらえるだろうかとやきもきして待つ常子(高畑充希)たち。
帰ってきたら、「花子とアン」を彷彿とさせる甲府なまりの両親(筧利夫、高橋ひとみ)がたんまりお土産をもって一緒にやって来て、あたふた。
はちみつがない→どっか飛んでちまったか 蜂だけに がはははは!
まったく面白くないギャグに妻だけは笑うという仲良しっぷりを見せる水田父母に、小橋家も笑うしかない。

お父さん・國彦は地元で落ちぶれた長者様だと陰口叩かれているが、時代が変わったと思って受け容れているという。昔の栄華にしがみついてもしかたないと割り切っているお父さん、女手ひとつで事業を起こした常子を褒めたが、そのあとがいけない。

「結婚もできんようなおとなは一人前とはいえんですからね。子供が結婚するまでは親は死んでも死に切れんですよ」発言に、常子が反応。

星野(坂口健太郎)と分かれてからずっと男の気配をいっさい感じさせなかった常子。でも「好きな方に結婚を申し込まれることほど幸せなことはありませんものね」と言ったときの憂いは、何かをずっと抱えてきたのかと思わせる。もしくは封印していた思いが國彦の発言でもたげてきてしまったか。
どちらにせよ、お父さん、悪気ないとはいえ罪〜。

言うときは言う、かか


「かかもやはり私に結婚してほしいですか?」と常子が聞くと、かか(木村多江)はいいことを言う。

「私たちの世代はそう思う人がほとんどでしょうね。私もできればあなたも美子もすてきな人と出会って幸せに暮らしてほしいと思ってるわ。でもね、それはそのほうが安心だからということではなくてそれが私に想像できる限界だからかも。あなたを見ていると幸せの形はひとつではないのかなと思うわ。結婚しなくてもあなたは充分に一人前です。それは確かよ」。

かか、言うときは言う。
嫁ぐ人、残る人、女の人生いろいろ。
時代による価値観の変化を、平塚だけでなく、水田の両親にも背負わせて強調するところは盤石。

それにしてもお父さん、没落してるとはいえお金持ちみたいだから、出版社に援助してくれたらいいのにね。
胡麻じるこのおかげで、雑誌が売れはじめたから、もう大丈夫なのかな。
(木俣冬)