8日、多くの台湾人が認識しているであろう、日本と台湾の格差。そのひとつに都市景観がある。日本はさすが超先進国、整然として美しい。台湾のそれとは比べ物にならない。しかし、この世のあらゆるものは最初から完璧だったわけではない。写真は京都。

写真拡大

2016年8月8日、多くの台湾人が認識しているであろう、日本と台湾の格差。そのひとつに都市景観がある。日本はさすが超先進国、整然として美しい。台湾のそれとは比べ物にならない。しかし、この世のあらゆるものは最初から完璧だったわけではない。以下は台湾のネットに掲載された記事。

【その他の写真】

確固とした開発計画のもとに発展し、調和のとれた街並みを誇る日本だが、これは近年の比較的新しい政策によって実現したということをご存知だろうか?1950〜60年代の日本の都市部は現代の台北とそれほど変わらない、雑然とした姿だった。戦後復興期から高度経済成長期。日本は伝統をバッサリと切り捨てて高層ビルを乱立させた。環境や美観を度外視したその乱開発は、街並みから緑を奪うかわりに、電線や看板、大量の放置自転車で溢れさせた。

2003年になって、国土交通省は「美しい国づくり政策大綱」を打ち出した。日本政府はここで、戦後の国土形成が経済や効率・機能性を過度に重視したがために、美しさや個性を失ったことを認めた。さらに、美観を失ったことの負の影響として、一部の国民が公共の場で平然とごみを捨てるようになるなど、モラル低下を招いたとしている。

誤解してしまいがちだが、現代の日本に経済的余裕が生まれたから、ようやく景観改善に気を回すことができるようになったわけではない。むしろその逆で、さらなる経済発展を目指すからこそ、予算を割いて都市景観の整備に着手したのである。

そのゴールは大きく分けて2つ。ひとつは国際競争力をつけること。もうひとつは観光推進だ。世界に影響力を持つ国家ブランドを打ち立てるには、その国の景観も大きく左右する。たとえば、何の予備知識もないままある国を訪れたとしたら、トータルの印象を決めるのは“見た目”ではないだろうか?快適で、先進的で、品格があり、主張のある日本の都市空間。メイド・イン・ジャパンの商品は世界的に信頼されているが、それは商品そのものの品質や技術力だけでなく、その背後にある国家イメージが優れているからなのである。

景観に特に配慮する京都では、商用看板やのぼりにまで厳しい規制を敷いているという。設置位置や面積、使用する色の明度や彩度に至るまで。超大手のコンビニやファストフード、ファストファッションの店舗であっても、京都市内ではコーポレートカラーに変更を加えて展開している。

現代人がより重要視するのは、数字の上での経済発展ではなく、生活の質や精神的なものだろう。美しい景観に囲まれて暮らす人々には心の余裕が生まれ、地域への誇りや愛着が生まれる。さて、われわれ台湾人はこのことにいつになったら気がつき、行動をはじめるだろうか?「自分さえよければ」の精神を捨て去るのか?それとも、「これが台湾人の本質」と開き直るのか?日本に20年後れをとった現状を維持し続けるのも、台湾人の意志の強さだとでもうそぶくのか?(翻訳・編集/愛玉)

■愛玉プロフィール
中国語翻訳者、ライター。 重慶大学漢語進修課程で中国語を学ぶ。その後、上海で日本人向けフリーペーパーの編集、美容業界誌の中国語版立ち上げなどに携わる。中国在住経験は4年。レコードチャイナの編集員を経て現在、北海道へ子連れIターン移住。フリーで中国ニュースの翻訳や中国関連の執筆などを行う。得意分野は中国グルメ、中華芸能。
連絡先:writeraitama@gmail.com