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8月11日(以下すべて現地時間)、Microsoftは法人向けSkylake搭載PC上で稼働するWindows 7およびWindows 8.1のサポート期間を、本来の延長サポートフェーズ終了まで、すべてのセキュリティ更新プログラムを提供することを発表した。Windows 7は2020年1月14日まで、Windows 8.1は2023年1月10日まで使い続けることが可能になる。

○揺れ動いたWindows 7/8.1のサポートポリシー

Microsoftは2016年1月15日、Windows 7/8.1のサポートポリシーの変更を公式ブログで発表した。Skylakeの名称を持つ第6世代Intel Coreプロセッサーを搭載するPCで、Windows 7/8.1を使用する場合、同社は他プロセッサー搭載PCとの互換性や安全性などを確認した上で、限られたセキュリティ更新プログラムを提供するものの、サポート期間は2017年7月17日まで短縮した。その理由として同社は、2009年9月にRTM(製造工程版)を迎えたWindows 7の基礎アーキテクチャが最新CPUに追従できず、その対応を行うことでプロセッサー搭載PCとの互換性に食い違いが生じると説明した。だが、その背景にMicrosoftが推し進めてきたWindows 10の普及があるのは明白である。

それから2カ月後の3月19日、Microsoftは再び公式ブログで1年間の再延長を発表した。Skylake搭載PC上のWindows 7/8.1のサポート期間を2017年7月17日から2018年7月17日まで1年間延長し、Windows 7の延長サポートフェーズが終了する2020年1月14日まで(Windows 8.1は2023年1月10日まで)、すべての緊急更新プログラムを提供すると発表している。

Microsoftは以前から自社製品に対して、各種サポートを行う「メインストリームサポート」として5年間のサポート期間を設けてきた。ビジネス開発製品に対しては「延長サポート」としてさらに5年間の期間が与えられる。延長サポートフェーズに入ると、セキュリティ更新プログラムのサポートや有償サポートに加え、法人での利用者にはセキュリティ関連以外の修正プログラム作成リクエストを持つ。つまり、冒頭で説明した1月の発表は事実上のサポート期間短縮であり、3月の発表は利用者からのフィードバックなどを踏まえた1年間延長となった。

Microsoft EVP WDG(Windows and Devices)のTerry Myerson氏は当初、Window 10が稼働するデバイスの目標値として10億台を掲げている。もちろんPCに限らずWindows 10 MobileやSurface Hub、Microsoft HoloLensといったWindowsデバイスすべてを含めた数値だ。だが、日本以外ではWindows 10 Mobileの市場シェアは厳しく、同社はリストラやハードウェア関連事業部の縮小といった方針を打ちだした。Windows 10 Mobileのアドバンテージは、Windows 10との連携やMicrosoft製品によるMDM(モバイルデバイスマネジメント)にあるため、まずはWindows 10の市場シェア拡大が急務である。そのため日本では、法人向け展開として、ダイワボウ情報システムとの協業による「Windowsモバイルビジネスセンター」から、Windows 10 Mobileデバイスの展開を進めている。だが、日本マイクロソフトの発表によれば執筆時点のWindows 10 PC稼働台数は3.5億台と、目標からほど遠い。Microsoftは強引にも見えたWindows 10普及の強硬姿勢を打ち崩し、今回の発表に至ったのである。

○ビジネスシーンでの安定した動作は何よりも重要

改めて整理すると、Intel Skylake搭載PC上でWindows 7/8.1を使用している法人ユーザーは、2018年7月17日から各延長サポートフェーズ終了日まで、すべてのセキュリティ更新プログラムの提供とサポートが行われる。ただし、Kaby Lakeの名称を持つ第7世代Intel Coreプロセッサーや、Bristol Ridgeと呼ばれる第7世代AMDプロセッサー、そして今後Releaseされる次世代チップセット搭載デバイスは、Windows 10のみサポートすることに変わりはない。Microsoftは「OEMパートナーおよびIntelとの協業によって実現」と今回の変更を説明しているが、結果的には当初のサポート期間短縮を取り下げた形となった。

確かにWindows 10は優れたOSだが、ビジネスシーンではOSよりもその上で稼働するアプリケーションや接続サービスとの安定した動作や連係が重要である。厳しい言い方をすれば、MicrosoftのWindows 10戦略は一歩退いたと述べても過言ではないだろう。

阿久津良和(Cactus)

(阿久津良和)