「勝ったのに喜べないのは…」 世界の壁を痛感したDF室屋

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[8.10 リオデジャネイロ五輪 B組第3節 日本 1-0 スウェーデン サルバドル]

 リオデジャネイロ五輪日本代表の“右の翼”として全試合フル出場を果たしたDF室屋成(FC東京)。スウェーデンから1-0の完封勝利を収めながらも、他会場の結果によってグループリーグ敗退が決まったことに「勝ったのに喜べない試合というのは悲しいですね」と声を落とした。

「本気でメダルを目指して戦っていた。試合をこなす中で良い感触を得ていたし、絶対に何か起こせる自信が試合を重ねるごとについていったので、とにかく悔しい」

 14年8月の福岡キャンプで手倉森ジャパンに初招集された当時、室屋は大学生だった。その後も唯一の大学生選手として、チームに招集され続けてきた。約2年間の活動を振り返ると、自然と手倉森誠監督への感謝の言葉が出てきた。

「大学生で一人だけだったけど、ずっとテグさん(手倉森監督)に選んでもらった。この代表チームに関わらせてもらったのは本当に監督のおかげなので、この先もずっと感謝すると思います」

 ナイジェリア戦では4失点を喫し、試合後の取材エリアでは「整理がつかなくて」と口を閉ざした。コロンビア戦、スウェーデン戦では攻守に奮闘して、チームの勝ち点獲得に貢献するも、「まだまだ自分の力不足を感じたし、このままだったら世界との差がもっと開いてしまうと感じた」と世界の壁を痛感。だからこそ、「もっと世界を意識して、やり続けないといけない」とさらなる成長を誓う。

(取材・文 折戸岳彦)


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