8月11日は、祝日に制定されてから初めての「山の日」だった。登山やハイキングを楽しんだ人は多かったことだろう。日本の象徴と言える富士山にも、国内外の登山客が訪れて賑わったはずだ。(イメージ写真提供:(C)  Sean Pavone/123RF.COM)

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 8月11日は、祝日に制定されてから初めての「山の日」だった。登山やハイキングを楽しんだ人は多かったことだろう。日本の象徴と言える富士山にも、国内外の登山客が訪れて賑わったはずだ。

 シンガポールの華字メディア・聯合早報は4日「富士山に登って日本の精神を体験した」と題した記事を掲載した。記事は、記者自らツアーに参加して富士山に登頂、その際に体験したこと、感じたことを表現豊かに綴っている。

 記者は、途中で高山反応に苦しめられながらも69歳になるという山岳ガイドの助けを受けながら、なんとか海抜3000メートルの東洋館に到達したという。そこで夜を明かし、午前4時に外に出てしばらく待つと、眼前に広がる雲海から幾筋もの赤い光が見え始め、神々しい「ご来光」を拝むことができたと紹介している。

 そして「富士山の日の出を鑑賞していると、ふと数百年前の登山客と繋がれたような感じがする。みんな同じように壮麗な景色に酔いしれたのだ。大自然の美しい景色は、次の世代へと伝えていく最も気持ちのこもった贈り物なのである」と感想を残した。

 記事はまた、富士山の登山道について、あえてケーブルカーや舗装を行うことなく、出来る限りものとの姿を残そうとしていると紹介。「古の人はこうやって山を登ったのだ。現代は装備がしっかりしているが、それでも忍耐力と体力はやっぱり欠かせない」とし、「富士山は各世代の人に、最後まで頑張って山にのぼる精神を伝承させているのである」と説明した。

 下山した時にはすでに足が棒になったように疲れ果て、「まるで自分の足ではないよう」な感覚に陥ったという。しかし、山の上で見た景色を思い出すと「また行きたいという欲求が蠢(うごめ)くのだ」と記事は綴っている。

 日本一の山から、世界的に有名な山になりつつある富士山。近年の登山客の増加による環境への影響を懸念する声も聞かれる。より多くの人に「日本人の心の象徴」とも言える富士山に親しんでもらう一方、記事が描写したような「最後まで頑張って登る精神を伝える」山であり続けるにはどうしたらいいか。今の世代の日本人が背負っている課題の1つと言えるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)  Sean Pavone/123RF.COM)