インターネットが普及し、世界中誰でも、どこからでも簡単に、情報にアクセスできるようになりました。

日本も例外ではありません。

総務省の統計によると、国内のインターネット利用者数は全人口の82.8%にあたる1億18万人(平成26年末時点)。世代別では、13〜59歳の各層で90%を超えています。

しかし国ぐるみのIT化という点では、まだまだ上がいました。

ことし開催された世界経済フォーラムで「デジタル化が進む国TOP10」が公表され、日本は139か国中10位にランクされたのです。

このランキングは、NRI(the Network Readiness Index)という指標に基づいたもの。

「市場、政治的な規制と設備の充実度」と、行政・ビジネスの現場・個人がそれぞれコンピューターを「どの程度積極的に利用しようとしているか」「実際にどの程度利用しているか」という3つの要素を点数化します。

7点満点で、数字が高いほどIT技術を積極的に活用しているということ。日本の先をいくIT先進国とはどのような顔ぶれでしょうか。さっそく見ていきましょう。

■10位:日本(5.65NRI)

2013年時点の5.2ポイントから0.45ポイント増加し、IT化は健全に進んでいるようです。

ビジネスの現場でのIT普及率は高く、なかでも面白いのが“世界一ロボット密度の高い国”であるということ。日本では、人口10人あたり1.5体のロボットが活躍しているのです。

一方で、政府は現在のところIT技術普及を率先するというよりは、法整備で後押しする役割を果たしています。行政や政策にITがいかに浸透していくかが、更なるデジタル化のカギとなりそうです。

■9位:ルクセンブルク(5.67NRI)

ヨーロッパの小国ですが、なんと62.3%もの労働者がコンピューターテクノロジーに関する仕事に就いています。IT技術大国として発展を遂げているのです。

■8位:イギリス(5.72NRI)

イギリスには現在、時価総額10億円を超える巨大コンピューター企業が17社存在します。さらに、昨年のイギリス国内のインターネットプロバイダーサービスの普及率は世界第1位。とくにBtoB(ビジネス間)のサービスが盛んで、世界第2位です。

EU離脱後の動向がどうなるかは注目されるところです。

■7位:スイス(5.75NRI)

世界銀行もあり、技術面でも国家の補助がしっかりしていそう。しかし、実際にはビジネス界のIT技術発展が、国のIT化を押し上げています。教育機関への積極的なIT技術導入も、この順位に貢献しています。

■6位:オランダ(5.81NRI)

ことし7月、オランダは国家レベルのあらゆる物事をインターネットで管理する「デジタル国家化」を世界で初めて実現しました。インターネットの利用料は高額ですが、それを補ってあまりある利便性を手に入れています。

しかし、このランキングでは昨年よりも2つランクを落としています。これはオランダが停滞しているというよりは、他国のIT普及が著しく進んだためのようです。

■5位:アメリカ(5.82NRI)

アメリカには、10社もの巨大な世界的コンピューター企業があります。そのため世界のインターネット需要に対する変化にとても敏感で、毎年確実にNRIのランキングで上昇しています。

■4位:ノルウェー(5.83NRI)

世界経済フォーラムでは、「世界で2番目にインターネットの通信スピード(mb/s)が速い国」と評されたノルウェー。国内では、労働人口の多くがデジタル技術を使った業務に従事しています。

■3位:スウェーデン(5.85NRI)

首都・ストックホルムは世界で2番目に、「一人あたりのhub(=LANを構築する時に使う接続用集線装置)が多い街」。

また、他の多くの国と違い、政府がIT技術の重要性を理解しているため、環境立国としてもその技術をうまく使用できています。

■2位:フィンランド(5.96NRI)

世界経済フォーラムでは「世界一の教育立国」と高く評価され、そのことがIT技術の発展にもよい影響を与え、ビジネスの現場でもIT技術がかなり浸透しています。

しかしその割に、政府はこの恵まれた状況にあまり関心を寄せてはいません。

■1位:シンガポール(6.04NRI)

「世界でもっともデタル化が進む国」はシンガポールでした。

シンガポール政府はIT技術の普及を最重視しており、早稲田大学がことし世界主要10大学と提携して発表した「世界電子政府進捗度ランキング」でも、シンガポールが65か国中1位になっています。

たとえば「Smart Nation Initiative」という、国家レベルで国民生活やビジネスの活性化を促進しようという取り組みも成功させています。

現在、ブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが開かれていますが、2020年には東京へ、多くの海外の人々が訪れるでしょう。

その際、日本国内のさまざまな場面でIT技術が活用されれば、海外からのお客様も、私たち日本人も、より快適に過ごせるのではないでしょうか?

(文/大熊猫)

 

【参考】

※The 10 most digitally savvy countries in the world―marketwatch

※インターネットの普及状況―総務省

※第12回世界電子政府進捗度ランキング調査2016 発表-早稲田大学電子政府・自治体研究所