SNSでしつこくカラむ男性を、取り締まってもらえる?

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 私たちの身近なあれこれを弁護士に聞く、この連載。今回は、SNSで変な男に付きまとわれたら、どうするか。ストーカーとして訴えることはできるのでしょうか。
(回答はアディーレ法律事務所 http://www.adire.jp/ )

◆【相談】SNSでしつこい男性がいて恐怖を感じます

 最近、私のSNSアカウントに粘着してくる人がいて、少し困っています。

 私は服が大好きで、よくコーディネートなどを考えて写真をUPしています。

 最初は「その服可愛いね」とか「これからも投稿楽しみにしています」という書き込みだったのですが、だんだん「もっとセクシーな服を着てほしい」「好きだよ、付き合って」「どうして返事くれないの?」などと頻繁にメッセージを送ってくるようになったのです。

 とくに今は実害はないのですが、毎日すごく嫌な気持ちになります。というか、このままエスカレートするのではと恐怖すら感じます。SNSだけではストーカーとして訴えるのは難しいでしょうか?

◆【回答】処罰は難しいけど、早めにプロに相談を!

 ストーカー規制法は、「ストーカー行為」の基本的な種類として、以下のア〜クの8つの行為を「つきまとい等」として規定しています。

ア つきまとい・待ち伏せ・押しかけ
イ 監視していると告げる行為
ウ 面会や交際の要求
エ 乱暴な言動
オ 無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール
カ 汚物などの送付
キ 名誉を傷つける
ク 性的しゅう恥心の侵害

 これらの、「つきまとい等」の行為を「繰り返して」行うと、「ストーカー行為」となります。

 ストーカー行為については、罰則が規定され、立派な犯罪ということになります。

 また、「待ち伏せを繰り返す」というように、「同じ種類の行為」を繰り返さなくても、上記類型の色々な行為を順次行った場合でも「繰り返して行った」と評価されます。

 例えば、ある人物に対して、待ち伏せ・面会の要求・無言電話・電子メール・名誉毀損行為といった行為を一回ずつ順次行ったとしても、場合によっては「つきまとい等を繰り返した」=ストーカー規制法違反として罪に問われる可能性があります。

 なお、アから工までの行為については、「不安を覚えさせるような方法」により行われた場合に限るとされています。

◆どんな書き込みだとストーカーなのか

 これまでの度重なる「残虐なストーカー事件」を受けて、平成25年にはようやく「電子メールを連続して送り付ける行為」がストーカー規制法の規制対象に加わりました。

 ただ、SNSは規制対象行為と規定されていないので、もし連続して書き込みをしたとしても、罪刑法定主義(犯罪と刑罰が明確にされていない限り処罰されない)の精神にのっとって、いまだ処罰が難しいとされています。

 でも、SNSでのいわゆる「特定の人物に絡む行為」は、SNSだからという理由だけでストーカー規制法の対象外にされるわけではありません。

 たとえば、SNSで「つき合ってください」と伝えるのは「交際を要求する」行為に当たりますし、「今日は〜〜にいたよね」と伝えるのは「監視を告げる行為」に当たります。

 ですから、SNSでこれらの行為を繰り返せば、ストーカー規制法の対象になるわけです。SNSで「好きです」「今日はいい天気だね」と書き込みを繰り返す程度では、なかなか処罰は難しいのが現状ですが、場合によっては、民事上の不法行為として、たとえば弁護士を通じて差止めを求めることも視野に入ります。

◆安易に個人情報を書いちゃダメ

 また、こういう粘着質な人物は、ブロックすると腹いせに誹謗中傷を書き込む、といった卑劣な行為に走ることもままあります。その場合、「名誉毀損」や「侮辱罪」として法的手段をとることも可能です。

 SNSでしつこくカラまれるのは、女性にとってはとても気が重い問題です。何度も繰り返されたら気味が悪いですし、エスカレートして目の前に現れるのではという恐怖も覚えたりもします。

 SNSに「個人情報を記載しない」「位置が特定される情報を書き込まない(※)」など、自身の身は自分で守る意識を忘れずに。そして、危ないと思ったら、早いうちに警察や弁護士に相談するようにしてください。

※スマホで撮った写真には位置情報(Exif)が書き込まれますが、現在は、主なSNSは投稿された写真のExifが自動で削除されます。昔投稿した写真のExifは残っているので、不安なら削除しましょう(やり方はネット上に色々解説があります)。

<文責/篠田恵里香 弁護士(アディーレ法律事務所/東京弁護士会所属) http://www.adire.jp/>