リオ五輪で体操男子団体が金メダルを取ったのを見ながら、4年前の友人との会話を思い出していた。写真はリオ五輪の競技会場。

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リオ五輪で体操男子団体が金メダルを取ったのを見ながら、4年前の友人との会話を思い出していた。

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前回のロンドン五輪の時、中国駐在経験のある友人と、「やっぱり日本は集団競技に強くて、中国は少人数の競技に強いね」という話になった。

柔道など例外はあるが、日本チームは常に「フィジカルのハンデをチームワークでカバー」という表現をされる。一方中国は、卓球、バトミントンなどは負けなしなのに、人気スポーツのサッカーはとにかく弱くて、ファンを悔しがらせている。

ロンドン五輪では日本と中国のチームが直接対決する競技もあった。何となくだが、チーム人数が5人のところで両国の力は拮抗し、それ以上の数になると日本が、それ以下だと中国が勝つことが多い気がした(そして日中が金メダルを争う体操男子団体は、まさに5人の戦いだ)。

「集団主義の日本、個人主義の中国という国民性が、スポーツにまで影響を及ぼしているんですね」。当時中国でサッカーチームの監督をしていた日本人に何気なく話すと、彼は「それだけでなく、学校教育も強さに関係していると思う」と答えた。

彼は、ある省のU―18代表チームの監督として、中国での指導者生活をスタートさせた。選手たちは小中学生のころに強化選手に選ばれて以来、学校の授業はほとんど受けずにサッカー漬けの生活を送ってきたという。

「瞬時に判断したり、集団で戦術を組み立てたりするには頭の良さも必要だから、学校に通って国語や数学の授業を受けることが大事な競技もあるんだよ。中国のサッカーが弱いのは、サッカーだけをやってきたからだと思う」。実際この監督は、試合の前には選手に1分間スピーチをさせたり、読書感想文を書かせたりしていた。それがチームの力を底上げしたかははっきりしないが、彼は今、中国プロチーム傘下のサッカースクールの副校長を務めている。

■筆者プロフィール:浦上早苗
大卒後、地方新聞社に12年半勤務。国費留学生として中国・大連に留学し、少数民族中心の大学で日本語講師に。並行して、中国語、英語のメディア・ニュース翻訳に従事。日本人役としての映画出演やマナー講師の経験も持つ。