■連載/Londonトレンド通信

『ズートピア』、『ファインディング・ドリー』と、このところ動物を擬人化したアニメのヒットが続いている。この11日から公開される『ペット』を例に、その理由を考えてみたい。

『ペット』は人気キャラクター「ミニオンズ」を生み出したチームによるアニメ映画。犬のマックスを主人公に、飼い主が出かけた後のペットたちを描く。原題はその内容通り『The Secret Life of Pets』となっている。

なぜ動物アニメが流行るのか、この夏のファミリー映画『ペット』で考える

 マックスは気のいいやつで、いかにも主人公らしい共感を呼ぶキャラクターだ。飼い主であるケイティがもう1匹の犬、デュークを連れてくるところからストーリーが展開する。デュークは毛むくじゃらの大きな図体そのまま、マックスにとっては自分のテリトリーを侵し、飼い主の愛情まで横取りする邪魔なやつ。隣のケイティと比較するとあり得ない顔の大きさだ。アニメではキャラクターを表すのに思い切ったデフォルメができる。

なぜ動物アニメが流行るのか、この夏のファミリー映画『ペット』で考える

 飼い主が出かけた後に通気口や外階段を使って行き来している仲間のペットたちや、外でトラブルに巻き込まれ、迷い込んだ先で出会う野良猫や捨てられたペットたちも、食いしん坊、こすからいやつ、知恵者など、そのキャラクターが一目でわかるようなルックスになっている。好きなように擬人化できるのもアニメの強みだ。

 だが、デフォルメ、擬人化できるのは動物アニメばかりではない。今時はアニメといわずCGで木を歩かせることも、家をしゃべらせることもできる。その中で、動物をアニメにした映画が特に人気なのは、動物自体にキャラクターづけしたくなる魅力があるからではないか。

 ロンドンでのプレスお披露目では、イメージキャラクターともいうべきワンちゃんたちが登場した。たとえば、このおめかししてポーズしている(?)ワンちゃんたち、いい味出してて、アニメーターでなくても何か台詞をつけたくなるキャラクターの立ち具合だ。

なぜ動物アニメが流行るのか、この夏のファミリー映画『ペット』で考える

 物言わぬペットたちに、こういうことを考えているのではと台詞づけすること、ボールに大喜びする犬に「ボールだ!」と言わせるようなところからスタートし、ファンタジーをふくらませていく『ペット』は大人でもすんなりついていける。ペットたちのパーティーに自ら仮装して出かける犬というシーンさえ荒唐無稽というより、ユーモアとして違和感なく笑える。映画のそのシーンを思い出させたワンちゃんがこちら。

なぜ動物アニメが流行るのか、この夏のファミリー映画『ペット』で考える

 仮装したのは映画中のキャラクターであるウサギのスノーボール。

なぜ動物アニメが流行るのか、この夏のファミリー映画『ペット』で考える

 この映画には、おまけとして冒頭に短編アニメ『ミニオンズ:アルバイト大作戦』もついているので、ご覧になる際は途中からということがないようお気をつけて。

文/山口ゆかり

ロンドン在住フリーランスライター。日本語が読める英在住者のための映画情報サイトを運営。http://eigauk.com

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