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北大西洋のアイスランドとノルウェーのちょうど中間あたりに浮かぶ島々がフェロー諸島です。中世から羊の放牧が行われており、島の人口よりも多くの羊がいるといわれるこのフェロー諸島の公式観光サイトが、島の美しい自然を羊の視点から眺め回すことができるムービー「Sheepview360」を公開しています。

Sheepview360 in the Faroe Islands - YouTube

「Sheepview360」を再生すると画面左上に十字アイコンが出てきます。これをクリックすることで視点を360度動かすことが可能。羊視点の映像だけでなく、フェロー諸島の大自然を思う存分満喫できるというわけ。



また、映像自体をマウスでドラッグしても視点をぐるぐる変更できます。



ムービーは複数人に囲まれた羊の背中が映されたシーンからスタート。



そのまま羊がフェロー諸島の大自然に解き放たれます。



テクテク歩き回る羊。背中にはソーラーパネルが積まれており、これによりムービーを長時間撮影できるようになっています。



一面に広がる青空とだだっ広い平野を駆け回る羊。



起伏に富んだ地形も、羊は苦もなく踏破していきます。



羊が背負っているのは360度カメラとソーラーパネルのみで、撮影中に羊がケガすることはなかったそうです。



ムービーの最後にはカメラマン(?)である羊がチラリと後ろを振り向きます。



フェロー諸島には美しい自然と、それらを満喫しながら自動車を走らせることができる素晴らしい道路が存在します。しかし、ただ一つだけ問題があって、フェロー諸島は他のヨーロッパ諸国とは異なりGoogleストリートビューがいまだに存在しないそうです。「フェロー諸島は僻地のように思えるかもしれませんが、ここには世界でも有数の魔法のような景色が存在し、これを世界中に知らしめるためにもGoogleストリートビューの対応には期待している」と語るのは、デンマーク人のアンドレアセンさん。なお、フェロー諸島はデンマークの自治領であり、フェロー語のほかにデンマーク語が公用語とされています。

Petition: We Want Google Street View! - Visit Faroe Islands

http://visitfaroeislands.com/sheepview360/petition/



アンドレアセンさんは「Googleストリートビューの到来をただ待っているだけではしょうがない」と、いつまでたってもやってこないGoogleにしびれを切らし、Googleストリートビューの「フェロー諸島版」として羊の視点で360度ムービーが見られる「Sheepview360」を公開したわけです。

「Sheepview360」はフェロー諸島の羊にリコーの「THETA」を取り付けて撮影したもので、フェロー諸島の山腹を羊が自由に歩き回って撮影を行っているため、人間では撮影できないような大自然も撮影できるとのこと。

このSheepview(シープビュー)は360度ムービーだけでなく、フェロー諸島のさまざまな場所で360度写真も撮影しており、これらは以下のページから見ることができます。

Sheepview Map - Visit Faroe Islands

http://visitfaroeislands.com/sheepview360/sheepview-map/



また、シープビューの撮影後、どうやって羊とカメラを回収するのかは、以下のムービーを見るとよく分かります。

How to get the camera back #wewantgooglestreetview - YouTube