【教えて!お坊さん】今さら聞けないお盆のこと!なぜ盆踊りをするの?

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もうすぐお盆。お盆お休みで帰省してお墓参りをする方もいるかと思いますが、そもそもお盆とは何かご存知ですか?
お盆の意味やお盆にやること、精霊馬、盆踊りなど、知っているようで知らない「お盆」について、お盆に一番詳しいであろうお坊さんに聞いてみました。

■【お坊さんに聞いてみた】今さら聞けないお盆のこと

今回お答えいただいたのは、臨済宗妙心寺派、長光山 陽岳寺の副住職 向井 真人さん。
自らお寺のボードゲームを開発し、お坊さんが作ったゲームということでネットでも話題にもなった、一風変わったお坊さんです。

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――突然ですが、そもそも「お盆」って何ですか?

向井 真人(以下向):
お盆についてのお経がそもそもありまして。内容をお話しすると長くなったりするので簡単に言うと、いまは亡き人が餓鬼(鬼)になってしまっているのが、ご供養をすると救われるというお経です。
「お盆 お経」で検索すると『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』というお経がでてきますが、それ以外にも『救抜焔口餓鬼陀羅尼経(きゅうばつえんくがきだらにきょう)』や『餓鬼事経』など、(元になっている)お経がいくつかあります。

お盆には、亡くなった人も帰ってきているから、食べ物や飲み物はもちろん、仏様の教えもお供えして養います。だからお盆になるとお坊さんがお経を読みにきたりしますよね。
供養によって、文字通り常に餓えている鬼、餓鬼になった者が満たされ餓鬼じゃなくなるわけです。

――お盆にお墓参りをする方も多いですが、やり方や注意すべき点などありますか?

向:
もしお墓参りするんだったら、お寺の人間から言わせてもらうと、お寺の人にアピールした方がいいです。

――え!どうゆうことですか?(笑)

向:
お寺の人ってお墓を守っている人みたいなところがあります。すべてのお墓を平等に守っているんですけど、特別その人の家のお墓はちゃんと見てあげようかなとか思うわけです。例えばお墓参り後のお線香やお花を片付けたりしますが、よりきれいにしようと思ったり、○○さん来てないけど体調は大丈夫かな?とか、目が行きやすくなりますよね。

あとは、せっかくお寺に来るんだったら、お坊さんの話を聞いて欲しいですよね。お坊さんの話といっても世間話じゃなくて、お盆についての話や深イイ話的な(笑)
おじいさんやおばあさんの話しや、故人やご先祖様にまつわる自分が知らないエピソードを聞いて、お盆の時期だけでも故人やご先祖様のことを想う、それも大事なことだと思います。

■日本のお盆は先祖供養に加え、施餓鬼(せがき)要素も!

――お盆に飾る盆棚・精霊棚はどんな意味があるんですか?

向:
お盆の時期には、家にあるお仏壇とは別に、盆棚・精霊棚(しょうりょうだな)を作ります。お盆だからと区切るために棚を作っているという意味もあるんですけど、もう1つは、自分と縁が薄い者、縁のない者(無縁仏)のためにという意味もあったりします。

これ大事なんですけど、お盆に供養するのは自分の先祖だけではないんですよ。

仏壇というのは仏様の家でご先祖様が居候をしているんですね。ご先祖様の家でもある仏壇はあるので、盆棚・精霊棚は自分の先祖だけじゃない先祖の供養「施餓鬼(せがき)」をします。「施餓鬼」とは仏教用語の1つで、餓鬼道に堕ちて苦しんでいる餓鬼のために食べ物や飲み物などをお供えして供養する仏教行事をいいます。日本のお盆には「施餓鬼」という意味合いも若干入っていたりするんですよね。
ただ、お盆をやらないところもあります。これも宗派や地域によっても違います。

■お供え物はステーキでもいい!?

――毎年ネットでは奇抜な精霊馬(しょうりょうま)が話題になっていて、以前いまトピでも紹介しましたが、そういった奇抜な精霊馬についてどう思いますか?

向:
ちゃんと食べればいいと思います。お供え物として仏様にお供えしたのであれば、そのおさがりをいただいて欲しいと思います。お供え物も食べる前提なので、遊んでもいいけど食べてください。

お盆というのは、人は死んだらどこで何をしているんだろう、という想いによって行われていて、今のかたちになっているので、「お祖母さんおはぎ好きだったから」といった、お供え物も想いのかたちなので、食べないのは想いを無駄にすることになりますよね。

――お彼岸にはぼた餅などが食べますが、お盆に食べるものはありますか?

向:
一応、霊供膳(りょうぐぜん)というのがあり、精進料理のことが多いですが、無理してそれでなくてもいいと思います。
故人の好きだったステーキとかでもいいです(笑)好きだったビールをお供えしてそれを晩酌にするとか、スイカが好きだったからお供えした後に、故人のことを話しながらスイカを食べるとか。食べながらその人を思い出したり、しゃべったりするのがいいですね。

■日本人のDNAが騒ぐ盆踊り!なんで踊るの?

――夏といえば盆踊りがありますが、お盆になぜ踊るんですか?

向:
諸説あるんですが、お念仏を唱えながら歩いていたら踊るようになったというのと、お念仏によって仏様の功徳を得られて喜び勇んで踊ってしまったというのがあります。
あとは…これはだいぶスピリチュアルなんですが、盆踊りって夜にやることが多いんですけど、7月15日ってだいたい満月なんですね。月明かりの下、まったく見えない状態じゃないけど、でも見えない、そういう状態のときに、人知を超えた存在とか、目に見えないモノたちと一緒に踊るというのもあると聞いたことがあります。

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いかがでしたか?これであなたも正しいお盆を過ごせるようになったのでは。
最後は、盆踊りがあやかしや「千と千尋の神隠し」の世界のようでしたが、昔からある日本の夏の風物詩をこれからも大事にしていきたいですね。

禅寺の副住職 向井さんへのインタビューは後編に続きます。
次回は「#坊さんあるある2016盆」や話題のゲームについても聞いてみました。盆入りの8月13日公開予定。お楽しみに。

◆プロフィール
向井 真人
副住職 Mahito Mukai
1985年 東京生まれ。明治学院大学卒業。
2010年 円覚寺専門道場から、深川 陽岳寺にうつる。同年、副住職となる。

・臨済宗妙心寺派、長光山 陽岳寺
住所:東京都江東区深川2-16-27
ようがくじ「不二の会(ぷにの会)」Twitter @puninokai

(いまトピ編集部 鹿乃ハル)

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