写真提供:マイナビニュース

写真拡大

連日、ブラジルの地で熱戦が繰り広げられているリオ五輪。深夜から早朝にかけ、眠い目をこすりながらテレビ鑑賞し、中にはそのまま甲子園での高校野球を観戦するといったスポーツ好きな人もいるだろう。ただ、長時間のテレビ鑑賞は、肺塞栓(そくせん)症によって死亡するリスクを高めるかもしれない。

海外のさまざまなニュースを紹介する「LiveScience」によると、毎日5時間以上テレビを見る人は、2.5時間未満しかテレビを見ない人と比べ、肺塞栓症で死亡するリスクが2.5倍も高まるという。

死に至る疾病・肺塞栓症は、肺以外の場所(主に足や骨盤)にできた血液の塊などが血管を通じて肺に達すると発症。小さな血管が詰まり、心臓疾患を引き起こす。

テレビの鑑賞時間と肺塞栓症による死亡リスクの関係は、1980年代にスタートした8万6,000人以上の成人を対象とした調査によって明らかになった。同研究では、毎日テレビを見る時間は「2.5時間未満」「2.5時間〜4.9時間」「5時間以上」のいずれに当てはまるか、さらに肥満度指数(BMI)や病歴、身体的活動レベルなどを回答してもらっていた。

そして、19年間の追跡調査を経てこのほど発表された報告によると、対象者のうち59人が肺塞栓症で亡くなっていた。詳しく調べてみると、毎日2.5時間未満しかテレビを見なかった人と比べて、2.5時間〜4.9時間テレビを見ていた人は肺塞栓症による死亡率が70%増加していた。さらに、テレビを見る時間が2時間増えるごとに、肺塞栓症での死亡率が40%増えていたとのこと。

これは、テレビ前で長時間にわたり身体を動かさなかったことで、血が凝固して血液の塊ができやすくなったためと考えられる。いわゆる「エコノミークラス症候群」と同じ原理だ。これまでにも、一日のテレビ鑑賞時間が3時間以上の人は、死亡率が高まる可能性があることがスペインでの研究で報告されている。

テレビ視聴を取り巻く環境は年々変化しており、特に近年は大量のテレビ番組を一気に続けて視聴する傾向が強くなっている。大阪大学医学系研究科の白川透特任研究員によると、この傾向によって、テレビを見る時間が多くなっているとのことだ。テレビだけではなく、スマートフォンやパソコンを座って使っている時間に関しても、研究する必要があると指摘している。 

テレビを前にして1時間ほどじっと座っていたら、軽いストレッチをしたり、立って歩き回ったりして足の筋肉をほぐすようにしよう。

○記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。

(杉田米行)