今年はサングラス使おうかな

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本格的な夏がスタートし、日差しが強い日が続いています。みなさんはこんなウワサを耳にしたことはありませんか?

「目から入った紫外線で肌が焼ける」。

これが本当なら、いくら肌に日焼け止めを塗っても目から紫外線が入っていれば意味がないということになりかねません。今までの努力が無駄なんて恐ろしすぎ...!! ということで調べてみました。

目に紫外線をあてると体全体が日焼け?

記者が調べた結果では、ウワサの根拠はマウス実験にありました。

マウスに、「耳だけ」に紫外線をあてる場合と「目だけ」に紫外線をあてる場合を比較すると、耳だけに紫外線をあてた場合は耳だけが日焼けしますが、目だけにあてた場合は体全体が日焼けしたといいます。これは目から入った紫外線の情報に、脳が反応して起こったと考えられています。

しかし、記者のリサーチ力ではここまでが限界...。ウワサの真相を確かめるべく、専門家の意見を聞いてみることにしました。

エイジングの専門家、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長の山田秀和先生に目と紫外線の関係を聞くと、「波長による影響は不明ですが、マウスなどの実験では目に紫外線が入ると、脳下垂体からMSH(メラニン細胞刺激ホルモン)が出て、メラノサイトという色素細胞でのメラニン合成が促進されたという報告もあります」との答えが。

しかし、これはあくまで動物実験での結果。人間の場合はどうなのでしょうか......?

光老化研究の第1人者でもある神戸大学名誉教授・再生未来クリニック院長の市橋正光先生に尋ねてみました。

「目から入る紫外線による"肌への影響"については、まだ人では証明されていません。しかし、眼科の領域から見れば、紫外線の影響は、角膜炎、白内障などの悪影響はあります。出かけるときは必ず、UVカット率の高いサングラスをかけたほうが良いでしょう」

現段階では、人間の目から入った紫外線と肌の関係は、よく分かっていないそうですが、目に影響があるのは確実です。今まで気にしていなかった人も、今年はサングラスをかけて出かけるのがおすすめです。

サングラスを選ぶときはUV400を

医療・健康情報サイトAgingStyleにサングラスを選ぶコツが紹介されています。

まずはUVカット率。「UV400」がおすすめだそうです。「400」とは、紫外線の波長を示す数値(400ナノメートル)のことで、紫外線には、波長の長い順にUV-A、UV-B、UV-Cの3種類があるのですが、UV400は、波長がもっとも長いUV-A(315〜400ナノメートル)をはじめ、すべての紫外線をカットしてくれるとか。

次に、レンズの色。色が濃いサングラスは日差しを防ぐことはできますが、瞳孔が開いてしまいます。そこへ横から紫外線が入り込んでしまうことになると逆効果。より多くの紫外線を目に入れてしまうことになる恐れがあるそうです。

市橋先生は、「四方から入る紫外線をカットするメガネが大切」と話します。

また、山田先生からは、紫外線や光の研究について興味深い話が出ました。

「紫外線を浴びると体内の葉酸が壊れる。高強度の光を夕方に受けると、インスリン抵抗性(肝臓や筋肉、脂肪細胞などでインスリンが正常に働かなくなった状態)がすすむ。という論文もあるんですよ」

なんと......糖尿病のリスクも? 生きものは光からはいろいろな影響を受けるんですね。

今年は肌からだけでなく、目から入ってくる紫外線にも注意して過ごしてみて。