薬味を刻んで【根本きこの島ごはん】

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毎夏、「昼ごはんどうする?」と自分の胃袋に聞けば、「冷たい麺」と返されることになって久しい。でも立秋を過ぎた朝は、いつものアイスコーヒーがここ数日はホットに。暦の流れに小さい秋を見つけ、ほっと一息。なんちゃって。
冷たい麺。我が家の常備麺の「半田素麺 北室白扇」が、あまりの人気のため今夏は注文ができないと来たもんだ。と、ここに書くのもはばかれつつも、「ない」となったら急に不安になるのは、それだけこの素麺に依存しているという証拠だろう。シンプルライフを目指したいと言いながら、こうした「大好きなもの」へのこだわりというか執着に我が身ながらトホホと呆れる。
でも、矛盾しているのは何も私だけじゃあない。
今年、広島を訪問したオバマさんだって、公のスピーチで「核廃絶」と言いながら、自国では核開発に頑張っている。
相模原の「やまゆり園」の事件にしても、道徳の授業で「命の大切さ」をどれだけ謳っていても、実際の人権がないがしろにされていたのでは、その説得力に欠ける。
視線を落とし自分の中にある矛盾を見つめながら、視線をぐっと上げ社会を見渡すと、ちょっとだけ風景が違って見える。そんなことはありませんか?
素麺には薬味が必須。葉の産毛が痛いくらい野生に育った大葉。出始めの青切りシークワーサー。断面が星形ではなく丸型の丸オクラ。太ったキュウリは千切りに。家族で私だけしか食べない茗荷。などなど、淡白な素麺には薬味は欠かせない。
脇役である各自の持ち味を生かした薬味と主役である素麺。そんな素麺をつるるっとすすりながら、画一的な事情に対して「自分はどう思う?」と問い続けている昼下がりであった。

>>過去の「根本きこの島ごはん」を読む
・バリのお供え物のようなカラフルさ。沖縄の果物
・いろいろな顔のこの島で
・島豆腐とトマトでカレーを。3連休の過ごし方
・今年もやってきた。かき氷の夏

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