Doctors Me(ドクターズミー)- 睡眠リズムは朝食で整う!睡眠ホルモン「メラトニン」をつくる方法

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眠りを誘うホルモン「メラトニン」ができるまで

睡眠に重要な役割を果たす、眠気を誘うホルモン「メラトニン」。メラトニンの分泌量が増えることで、私たちは眠くなります。ホルモンは体内でアミノ酸(たんぱく質)を材料に作られており、メラトニンも勿論、アミノ酸を材料にして作られています。

そのアミノ酸が「トリプトファン」。トリプトファンは必須アミノ酸ですので体内で作ることはできないアミノ酸。必ず食事からとらなければなりません。トリプトファンは、良質のたんぱく質が豊富な肉・魚・卵・乳・大豆製品に豊富に含まれています。ただし、トリプトファンをとったからといって直ぐにメラトニンが作られて快適な睡眠がかなうかというと、そうではありません。

トリプトファンからセロトニンへ、セロトニンからメラトニンへと合成されます。そして、合成が進む過程で必要になってくるのが、ビタミンやミネラル。つまり、トリプトファンだけとっていても、メラトニンは作られないのです。よい睡眠のためには、メラトニンが作られやすい環境を整えることが必須です。

睡眠に関わるビタミン・ミネラルの話

上述の通り、よい睡眠にはいろいろな成分を食事から摂取することが大切です。中でも、特に重要になっているビタミンは、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸。

ナイアシンは通常、不足することはありませんが、葉酸は偏った食事をすることで不足しやすく、特に必要量が増える妊娠中は不足しやすい傾向にあります。

ミネラルでは、鉄やマグネシウムが必要になりますが、摂取不足の傾向にある鉄も意識してとりたいものです。バランスのとれた食事でこれらの成分が適切に摂取できれば、結果的によい睡眠が整いやすい身体になっていくのです。

ビタミン・ミネラルを効率良く摂るには?

トリプトファン(良質なたんぱく質)と合わせて、メラトニンの合成に必要なビタミンやミネラル、中でも不足しやすい葉酸や鉄をとり入れることも大切です。その鍵を握るのが野菜。

葉酸や鉄は、特に緑色野菜に豊富に含まれています。ほうれん草、小松菜、水菜、菜花、春菊、ニラ、菜の花、モロヘイヤ…緑色の濃い野菜を意識してとり入れましょう。特に不足しやすい鉄は、牛肉等の赤身肉やカツオ・マグロ等の赤身魚、あさり等の貝類、厚揚げや納豆等の大豆製品にも豊富です。

食後にビタミンCが豊富な果物を食べれば、鉄の吸収も高まりますよ。また、腸内細菌がビタミンB6や葉酸を作っていますので腸内環境を整えることも大切です。

白米にもトリプトファンが含まれますので、主食にご飯、主菜には良質なたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)、副菜にはほうれん草のお浸しや水菜のサラダ等の緑色野菜といった、「主食・主菜・副菜」の揃ったバランスの良い食事こそが、安眠にもつながるのです。

よい睡眠は朝食がつくる!

トリプトファンが豊富な牛乳を寝る前に飲むとよいのでは、と思われる方もいらっしゃるようですが、トリプトファンからセロトニン、メラトニンと合成されるまでには時間を要しますので、寝る直前にとることはお勧めできません。

最も効果的なのは「朝食」です。朝食でトリプトファンをとることで、日中はセロトニンが働いて心のバランスをとり、情緒を安定させてくれます。そして、セロトニンから合成されたメラトニンは睡眠に向かう夜に分泌され始めるのです。

朝時間がない時でも、牛乳を飲みましょう。トリプトファンが豊富な牛乳を1杯、そして、余力があれば、ビタミンB6やマグネシウムが豊富なバナナを食べるようにしましょう。

また、メラトニンは光の影響を受けるホルモンです。朝日を浴びた約15時間後に分泌されますので、朝起きたら、しっかりと朝日を浴びましょう。日差しの入る窓際で朝食をとれば一石二鳥です。

朝起きて、朝日を浴びて、朝食を食べる…という朝の過ごし方がよい睡眠をつくります。朝食をとってリズムのよい生活習慣を身に付けて、ぐっすり眠れる体作りをしていきたいですね。

≪プロフィール≫
篠原絵里佳:管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士、日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエ、日本睡眠改善協議会認定 睡眠改善インストラクター、NARD JAPAN認定 アロマ・アドバイザー。総合病院、腎臓・内科クリニック勤務を経て独立。医療での経験と抗加齢医学(予防医学)の活動を通して、体の内側から美と健康を作る食生活を見出し幅広く発信している。また、睡眠改善インストラクターを併せ持ち、食と睡眠の観点から健康と美容にアプローチする「睡食健美」を提唱している。