日本たばこ産業(JT)によると、2016年の「全国たばこ喫煙者率調査」で、たばこを吸う成人の割合が19.3%になったと発表しました。同調査は全国の成人男女を対象に実施され、約2万人から回答を得たものだそうです。全体では前年比0.6ポイント減少し、男性は29.7% (前年比1.3ポイント減) で、統計を始めた1965年以降で初めて30%を下回りました。JTは「健康意識の高まりや規制強化で喫煙者率は低下傾向が続いている」と述べていますが、世界的に見るとこの結果はどうなのでしょうか。

世界で急増している喫煙率のわけ

日本では喫煙者の数は年々減少傾向にあるということですが、実は世界レベルでは喫煙者数はむしろ増加しているのです。

THE TOBACCO ATLASによると、2014年には世界で5兆8,000億本のタバコが消費され、年々その数は増え続けています。

イギリスやオーストラリア、ブラジルでの規制による喫煙率の急激な低下しているのですが、世界人口第1位の中国にて喫煙率が急増しているというのです。

image by: THE TOBACCO ATLAS

その数は世界的にも群を抜いており、全ての低中所得国におけるたばこ消費数を合計してもなお、中国での消費数が上回るというのが実情です。

中国の喫煙者

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また、他の地域においても近年喫煙率の上昇が見られ、WHOによると、東地中海地域の喫煙率は2000年から30%以上増加し、過去最高の数値を示しています。

特に昨今めざましい発展と人口の増加を遂げているアフリカでは、近い将来タバコ消費において多大なリスクを負っています。

アフリカの喫煙者

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今後の規制なしでは、今世紀のうちに何億人もの人が喫煙のせいで命を落とすことになるかもしれません。

なお、タバコの消費傾向は国によって異なります。

タバコの消費高は大きな不均衡を示しており、低中所得国では、社会経済レベルの低い地位の人々の多くがタバコを吸っているのです。

生活が苦しいなかでも喫煙にお金を費やすというのは、何だか不思議ですよね。

このような傾向の見られる国においては、例えばたばこ税を増税し、その税金を禁煙プログラムなどに役立てるなどといった規制によって現状を打破できるかもしれません。

税金のかかるタバコを買わなくても、タバコに似たシガリロと呼ばれるものや、自分で巻いてつくるタバコグッズが高い売り上げを見せるなど、まだまだ課題は多いようです。

タバコ会社は、今やどの成分が人間の中毒性や依存性を刺激するかを解明しており、それを利用してますますその売り上げを伸ばしているとの声もあります。

私たちの体を蝕む成分を利用して利益を出す、考えてみると恐ろしいですね。

この10年間で見事にタバコの消費量を大幅に減少させてきたカナダ、デンマーク、アイスランド、ニュージーランド、ウルグアイですが、その国々でいまだ喫煙し続けている消費者は、1日に何十本ものタバコを吸う、いわゆるヘビースモーカー達です。

社会的には「弱者」とされる彼らの喫煙率を下げるには、さらなる規制が必要です。

以前は「タバコは趣向品」だと言われていましたが、アメリカなどの先進国では、喫煙者は自制がきかない、つまり社会人としてのスキルが低いというイメージも強く、「有能なビジネスマン」=「健康面にもきちんと気を配るノンスモーカー」として一般的に認知されているように思います。

1910年時に米ミズーリ州にて撮影された写真

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実際に、アメリカ国内における1日1箱を吸う喫煙者の喫煙率は今年は26%ほどで、1978年の65%と比べるとかなり低下しました。

日本では分煙の文化が発展し、レストランなどの飲食店や屋外でも喫煙スペースが設置されていますよね。

タバコを吸わない人達への配慮が見られますが、やはり喫煙は私たちの健康を脅かすもの。

愛煙家にとっては肩身が狭い状況ですが、この調子で日本も喫煙者数がますます減少していくといいですね。

 

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source by: 日本経済新聞, THE TOBACCO ATLAS, GULL UP 

文/貞賀 三奈美

出典元:まぐまぐニュース!