サプリメントの開発に携わった宮内雅彦氏(左)と、コンニャクセラミドの研究を続ける内山太郎氏

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「プルプルお肌でいたいけど、長時間の入浴に、化粧水とボディーミルクで保湿ケアなんて、毎日続ける時間がない」。そんな人は、飲んで肌の乾燥をケアできる商品を試してみては。

資生堂はサプリメント「飲む肌ケア」を開発した。美容に良いと目を付けたのは「コンニャク」だ。12年間に及ぶ研究で、コンニャク特有の「肌バリア」成分を発見し、手軽に摂取できるように製品化した。

肌から水分の蒸発を防ぐ「コンニャクセラミド」

資生堂は研究を通して、コンニャク由来の「グルコシルセラミド」という成分が、肌から水分が蒸発するのを防ぐバリア機能を持つことを発見した。実験の結果、肌の乾燥が気になりやすい頬だけでなく、背中、肘、足の甲と、全身の水分をキープすることが分かった。

グルコシルセラミドは小麦や大豆由来のものもあるが、これらはアレルギーを持つ人も多い食品。対して、コンニャクにアレルギーを持つ人は極めて少ない。そのため同社研究グループは、コンニャク由来のグルコシルセラミド(以下、コンニャクセラミド)ならほとんどの人が摂取できると考え、研究を進めてきた。

コンニャクセラミドのバリア機能が十分にはたらくには、1日1800マイクログラム必要だと分かった。これは、スーパーなどで市販されている板コンニャク9枚分に相当する。しかも12週間、毎日とる必要があり、大量のコンニャクを連日食べ続けるのは難しい。そこで同社は、サプリメントにして成分を凝縮し、手軽に摂取し続けられるようにしようと、「飲む肌ケア」を開発した。消費者庁に届出をしたうえで、科学的根拠に基づいて機能を表示している「機能性表示食品」だ。コンニャクセラミドが「肌の水分を逃がしにくくする」とし、「肌の乾燥が気になる方に適しています」と商品パッケージに表示している。

主なターゲット層は20〜30代の働き盛り世代の女性。例えば風呂上がりに皮膚の角質がはがれて白い粉が吹いてしまう人や、洗い物で手が荒れがちな人にもお勧めだという。資生堂の食品ブランド開発グループでマネジャーを務める宮内雅彦氏によれば、「本当はボディクリームを塗ったり、時にはエステに行ったりしてしっかり肌ケアしたいけれど、忙しくて時間をかけられない、という方々にも継続して使いやすい商品です」と話す。

「飲む肌ケア」はコンニャクセラミドに加えて玄米黒酢、ヒアルロン酸、コラーゲンや、ビタミンB群など14種類の成分も配合した。宮内氏は「肌に良い成分をまとめて配合することで、いくつものサプリメントを飲まなくても、これ1種類だけで肌ケアが済むようにしました」と述べた。また、「塗る製品だと塗った部分にしか効き目が出ませんが、飲むサプリなら内側から全身に成分が行き渡ります」と、違いを強調。さらに、ドリンク剤でなくサプリメントにしたのでコンパクトに持ち運べるうえ、賞味期限も2年間と長期化できた。

群馬県のコンニャク農家からヒント

コンニャクに目を付けたのは理由がある。コンニャクセラミドの研究を2004年から続けている、資生堂食品開発グループ主任研究員で薬学博士の内山太郎氏はこう明かした。

「日本一の産地である群馬県のコンニャク農家は、肌が美しいと昔から言われていました。そこで、コンニャクに何か肌に良い成分があるのではないかと思い、研究を始めたのです」。

12年間の研究、実験を通して内山氏らは、コンニャクセラミドに期待通りの効果を発見した。肌荒れは、肌の細胞同士を結合する「細胞間脂質」が減少して起きる。内山氏によれば「細胞はレンガ、細胞間脂質はレンガを固めるセメントのようなもの」。コンニャクセラミドは「セメント」である細胞間脂質を増やし、「レンガ」である細胞の結合を強めて、水分が逃げる隙間をなくすという。

サプリメント化に当たっては、多くの成分を配合するのに苦労したという。宮内氏は「玄米黒酢の臭いが際立ってしまったため、コーティング剤を工夫して臭いを抑えました。当社が培ってきた技術が非常に生きました」と明かす。

こうして完成した「飲む肌ケア」。宮内氏は「乾燥ケアをやりたくてもできないという声を多くいただいてきた。そういう方々に、今までにない手軽な肌ケア方法を提案します」と自信を見せた。発売は2016年9月21日だ。