■連載/石黒謙吾のLOVEビール
〜語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話〜

 ビールが好き、もっと知りたい&楽しみたい。でも、マニア向けのものは結構、とは言っても当たり前の話は知ってる。そんな、粋でイケてるビールファンに贈る、なんでもありの読み物です。語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話をお楽しみください。


 僕が、意識してベルギービールに出会ったのは、新潮社に行った帰りに、なんとなく入ったベルギービール専門ビアバー「ブラッセルズ」の神楽坂店。20年前、カウンターに座り、当時の店長西條真弓さんにベルギービールに関するいろいろなことを聞き、その場ですっかりベルギービールの魅力にハマッた。これは「大人のホビー」だと。

 ちなみに西條さんはその後、やはり神楽坂でビアバー「Bitter」を出してここもすでに10周年を迎えた。大人の隠れ家的かっこいいお店だ。

 ハマッてしまった大きな理由として、味以上にビジュアルが大きかった。カウンターの前に居並ぶ100種近いビールを見つつ解説をしてもらいながら、ハイセンスでバリエーション豊かなボトル、ラベルのデザインに見とれた。

 射貫かれたボトルはたくさんあったが、その筆頭が「デリリュウム・トレメンス」だった。

デリリュウム・トレメンス

 美しい! なんとボトルが透き通ってない!(コーティングされているから) ポップな色使い、潤いあるロゴタイプ、かわいいピンクの象……。

 このインパクトは強烈で、この日、もらって帰って部屋に飾ったほど。加えて「酔うとピンクの象が見える」というお酒の幻覚症状からとって描かれている、なんというトリビアを聞いたからますます魅力的に思えたものだ。

ピンクの象が見える-ウィキペディア

デリリュウムには他の定番銘柄もある。

デリリュウム・ノクトルム

デリリュウム アルゲンタム

グラスは、ピンクの象がちりばめられていてかわいい。

デリリュウム グラス

ブルワリーは「ヒューグ醸造所」。オフィシャルサイト、翻訳もあるのでどうぞ。

「ヒューグ醸造所」。オフィシャルサイト

 そんなデリリュウムから、今年春に限定銘柄が出たのだが、そのコンセプトが<女性によって、女性のためだけに1年に1度醸造されます>というキャッチーなもの。大変少量の入荷と聞いてすかさず頼んで飲んだ。このコーナーで紹介せねばと思っていたけど案の上すぐに売り切れ……だったのだが、また少量ながら再入荷したと。ならば紹介しないと!ということで、これ。トレメンスの妹的なビール。

デリリュウム・デリリア

 インプレッションは以下に書くけど、見た目が最高、かっこいいボトルデザイン!

 そしてキャッチーだけじゃなく極上の味わい。それから、この連載で以前にも書いたけど「シャンパン気分が味わえる!コルク栓のリッチな大瓶ベルギービール」コルク栓の大瓶というのがまたそそる。ゆったりした晩餐で楽しみたい。

デリリア栓

 高級な味だけど、フルーティでカジュアルな一面もあり、音楽見立てならクラシックじゃなくて王道のジャズという趣き。そしてベルギーの宮殿に佇む若き女王だなあと見立て妄想が膨らんでいく。

 女性の方にぜひベルギービールの深みを知ってほしい。今年逃しても来年にまた。

デリリュウム・デリリア
■デリリュウム・デリリア
(ヒューグ醸造所 度数8.5% 750ml)

 まず感じるのが、ふくよかな発泡感! これは特筆モノのすごさ。フルーティでシャンパンのようで、ふわーっとくる。「泡持ち」はややいいぐらいだけど「泡立ち」は最上級。アルコール感ががつんときて鼻に抜けるところが、高貴な感じが漂っていい。色はやや濁りのあるゴールド。ビジュアルの印象より苦味がけっこう立っている。定番の「デリリュウム・トレメンス」より強いか。そしてこの苦味が、ひとひねりある、色気がある苦味という感じだ。そして、苦味+旨味+香味のバランスが素晴らしい。ボディ自体はミディアムヘビーぐらいだけど、味に重さがあるから存在感のある飲み口に。8.5%以上のしみいる酔い心地なので、なるべくゆっくり飲んでほしい。
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文・写真/石黒謙吾(いしぐろ・けんご)

著述家・編集者・分類王。日本ビアジャーナリスト協会・副会長、日本ベルギービールプロフェッショナル協会・理事。映画化されたベストセラー『盲導犬クイールの一生』はじめ、『2択思考』『図解でユカイ』『ダジャレヌーヴォー』『エア新書』『分類脳で地アタマが良くなる』『ベルギービール大全』など幅広いジャンルで著書多数。プロデュース・編集した書籍も、ベストセラー『ジワジワ来る○○』(片岡K)、『ナガオカケンメイの考え』、『負け美女』(犬山紙子)、『読む餃子』(パラダイス山元)など200冊以上。twitter: @ishiguro_kengo、facebook:石黒謙吾、blog:イシブログケンゴ

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