超リアルなレーシングシミュレーター。左が開発者の白石さん、右は練習に訪れた霜野選手

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大阪の心斎橋筋商店街から東へ少し入ったところに 、レースカーのタイヤが積まれた店を発見。中を覗いてみると、そこには本格的なレーシングシミュレーターが4台並んでおり、何人かが真剣な表情でプレイしている。ここが、7月2日にオープンした「ドラテク心斎橋店」だ。

【写真を見る】プロドライバーでもある白石さんが、走行のコツを伝授

この店のシミュレーターは、プロのレーシングドライバーが訓練に使用する本格的なものを設置していて、4台のお値段は“新車のポルシェが余裕で買える”ほど。その魅力を、シミュレーターの開発者でもある、レーシングドライバーの白石勇樹さんに伺った。

「このシミュレーターは、数百種もの車種と、日本はもちろんモナコ、シルバーストーンなど、100を超えるサーキットのデータが入っています。例えば、鈴鹿サーキットの場合、周囲の風景はもちろん、路面の細かいアップダウンや段差なども正確に再現。現在は、鈴鹿サーキットのみ走れる設定にしていますが、今後は他のサーキットも選べるようにする予定です」と、魅力を語る。

体験するには、まずドライビンググローブを着用し、本物のレースカーと同様に ハンドルを取り外してシートへ着座。乗用車と違って、横方向の重力を支える構造のシートは、体がすっぽり収まるといった表現がぴったりだ。

実際にプレイしてみると、プロドライバーが訓練で使用するだけあって、ゲームセンターなどにあるカーゲームとは比べ物にならないくらい難しい。ハンドルの重さやアクセル、ブレーキのシビアさ、そしてカーブを曲がる時の振動なども超リアルだ。

「このシミュレーターは、“モーションシミュレーター”といって、映像に合わせてシートが動くタイプです。例えば、急ハンドルを切った時に、後輪が滑る感覚なども本物そっくり。私がサーキットを実際に走っていて、ヒヤッとするところも忠実に再現しました。このシミュレーターで練習すれば、実際に鈴鹿サーキットを走行する時もある程度走れるようになります。なかなか敷居が高いモータースポーツですが、ここで気軽に体験して、このスポーツの楽しさを感じてほしい」と、白石さんはこだわりを語る。

また、同店には、現役レーサーが練習に走り込みに来るとか。トレーニングのため訪れていた霜野誠友選手は、「ドライバーは走っている時にしか鍛えられない特有の”反射神経”があって、それをシミュレーターで走りこむことで鍛えられるので、良い練習になります」と、その実力を認めている。

店は土日ともなれば、4台あるシミュレーターがフル稼働し、常連客がコンマ何秒を争う熾烈な戦いを繰り広げている。中には、“ベストタイムが0.8秒縮まった!”と喜んでいる人も。

「現在は単独でしかプレイできませんが、近日中にこの4台をつなぎ、対戦ができるようにします。将来的には東京などにも店舗を増やし、日本グランプリ、世界グランプリが開催できるようにしたいですね」と、白石さんは今後の目標も語る。

土日は、本物のレースクイーンが来店したり、白石さんが運転方法を指導してくれるなど、まさにサーキット気分が味わえる。カップルやファミリーの来店も多く、車好きだけでなくデートにも最適。ミナミを訪れた時は、超リアルな世界を体感してみよう!【関西ウォーカー】