幻の寺の仏像を修復したい!クラウドファンディングで資金調達スタート

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廃寺となった静岡市・建穂寺の「木造地蔵菩薩像」の修復費用を調達するためのクラウドファンディングがスタートした。

 文化財の修復・保護が難しい過疎地域

現在、過疎地域では、過疎高齢化などの諸問題によって地域の文化財の修復や保護をしていくための資金を集めることがどうしてもできないというケースが多くあるという。

そのため、株式会社文化財マネージメントでは、クラウドファンディングによって文化財の修復費を調達するという支援事業を行っているそうで、第1弾「山形県河北町・永昌寺十六羅漢像」を修復するクラウドファンディングでは、仏像の修復費用として約160万円の目標金額を見事達成したという。

 第2弾・400年前の地蔵菩薩像を救え!

第2弾となる今回、修復費の調達を試みるのは、地域の人々で管理する静岡市・建穂寺(たきょうじ)の「木造地蔵菩薩像」。

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建穂寺は、静岡県静岡市葵区にかつて存在していたという大寺院で、その歴史は古く、平安時代から江戸時代を通して栄えた駿河有数の大寺院だったそう。

ところが、明治初年の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)による混乱、その後の火災によって廃寺となり、今では“幻の寺”になってしまったという。

ただ、寺の建物は失われたものの多くの仏像は救出され、現在、町内で管理する観音堂に安置され大切に保護されているのだとか。

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「木造地蔵菩薩像」の損傷が止まらない!

今回、修復の対象となる「木造地蔵菩薩像」は、そのうちの1体で、1614(慶長19)年に、仏師・足立三郎三位によって造られた貴重な仏像。

この年代の仏像で、制作年や仏師名がはっきりしているものはそう多くないそうなので、文化財としての価値もかなり高そうだ。

地蔵菩薩像は、今でも毎年8月の「地蔵盆」で祭礼の中心として祀られるほど、地元の人に愛される存在なのだという。

ところが、頭部と胴の接着がはずれてしまったうえ、虫喰い穴も多く、損傷が激しい状態のため、一刻も早い修復が求められるものの、廃寺となった建穂寺にはすでに檀家もなく、収入は一切ないのが現状。

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これまで、他の仏像の修復費用などは地域住民が負担してきたものの、さらなる出費には資金が至らないという実情があるという。

そのため、今回はクラウドファンディングによって、修復費の調達を試みることになったのだとか。

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廃仏毀釈や火災を逃れたものの、木造だけに損傷からは逃れられない木造地蔵菩薩像。第1弾のように目標金額を達成し、元の姿に近づけることを祈りたい。

 ◆「静岡市の幻の寺・建穂寺に伝わる400年前の仏像を修復したい!」概要
期間:7/11〜8/24
管理主体:建穂神社観音堂評議委員会
対象:木造地蔵菩薩像
調達目標額:103万円