コロンビア戦を2−2で引き分けた日本。他力ながら、グループリーグ突破の可能性を残した。

 ナイジェリア戦で大量5ゴールを献上した守備はある程度修正できていた。2失点したものの、ひとつはアンラッキーなオウンゴール。初戦に比べれば、球際での厳しさがあって、簡単にやられることはなかった。

 攻撃はナイジェリア戦で4得点奪った勢いを持続。この日も2ゴールを記録した。

 その攻撃陣をリードしていたのは、FW浅野拓磨だ。90分間、裏を狙う動きを繰り返し、コロンビアDF陣にずっと揺さぶりをかけていた。

「裏への抜け出しは、僕の特徴ですし、それをなくしてしまったら、チームもいい状況を作れないと思うんです。たとえ裏にボールが出てこなくても、僕が走ることで、僕のいた場所にスペースができたりするので、そこをうまくつけばチャンスになる。

 コロンビアの最終ラインとはうまく駆け引きできたかな、と思います。だからこそ、最後、自分がゴールを決めて終わりたかった。世界で通用するようになるには、単に裏へ抜けるだけじゃなく、フィニッシュまでいくことが大事になってくると思うので」

 浅野はこの試合、立ち上がりから何度か決定的なチャンスを得ていた。しかし、シュートを相手GKに止められたり、クロスバーに弾かれたりして、そのチャンスを生かし切ることができなかった。ゆえに、その存在は際立っていたものの、自身は反省の言葉を繰り返した。

「後半に2失点してしまいましたけど、それまではみんな、我慢してしのいでいた。前半から何本かあったチャンスを、僕ら攻撃陣が決めていれば、もっと楽にゲームを進められたな、と思います。そこは、みんなに申し訳ないというか、迷惑をかけてしまったと思っています。前半とか、みんながあれだけ球際で戦ってくれて、そういうときこそ、僕ら攻撃陣がゴールという結果を出して応えないといけないんですけど、今日は1点目を取るのがちょっと遅かった......」

 浅野が待望のゴールを決めたのは、2失点目を喫したあとだった。その少し前に投入されていたMF大島僚太とMF南野拓実が絶妙な連係を見せ、南野からパスを受けた浅野が鮮やかなシュート。複数の選手が絡んだ華麗な中央突破で1点を返した。

「拓実は外で(ボールを)受けるというよりは、中で受けたがる選手。それによって、(攻撃陣)全体の距離感がいい具合に近くなった。また、(南野が)中で受けることで、相手も混乱したと思います。例えば、僕が決めた1点目のゴールのときも、拓実が中でパスを受けるから、そこに相手の意識も集中。その間に、僕はフリーになっていた。

 ゴールは(南野が)いいボールをくれたので、あとは気持ちでした。特にコースは狙っていなくて、ゴールも近かったので、強く打ったら入るかな、と。状況を見て、こういうプレーができるようになれば、もっと攻撃のバリエーションも増えると思います。僚太くんが入って、ボールの出し入れが増えて、攻撃のアクセントを作ってくれたことも、いい崩しができるようになった要因だと思います」

 前に強いコロンビアDF陣を相手にして、中央突破からゴールを決めることは決して簡単なことではない。5月の欧州遠征(トゥーロン国際大会)では、なかなか点を奪えず、4試合で1勝しかできなかった。おかげで決定力のなさを指摘されたが、この浅野のゴールは、チームの攻撃力が上がっていることを感じさせる一発だった。

「確かに攻撃の精度は上がっていると思います。今日の試合も、勝利という結果こそ出せませんでしたが、僕らは自信をもってやれましたから。内容でも相手に負けていたと思いません。だから、引き分けではなく、勝ちたかったです。それでも、今日の試合は今後に絶対につながると思います」

 首の皮一枚でつながった日本。グループリーグ最後のスウェーデン戦は、浅野が言う「今後につながる」ことを証明する絶好の機会だ。ナイジェリアvsコロンビアの結果次第とはいえ、勝てば決勝トーナメント進出が叶うかもしれない。

「今日の試合は、みんな戦ってくれましたし、みんながチャンスを作ってくれました。でも、僕自身、決めることができなかった。アディショナルタイムに入ってからも、最後に拓実からいいボールが出てチャンスをもらったのに、決め切れなかった。トラップまでは自分の思いどおりだったんですが、GKが前に出てきて、落ち着いて足に(ボールを)当てられるかどうかというコンマ何秒かの勝負のところで、相手に挟まれて慌ててしまった。

 そこはトゥーロンのときもそうだったんですが、日本の課題であり、僕個人の課題でもあります。そこからは目を背けず、しっかり自覚して改善できるようにやっていくしかない。そのためにも、次の試合では勝利につながるゴールを絶対に決めたいと思います」

「みんなと少しでも長くプレーしたい」という浅野。コロンビア戦で自身が味わった屈辱は、次のスウェーデン戦で晴らすしかない。そしてそれが、吉報につながることに期待したい。

佐藤 俊●文 text by Sato Shun