立秋を迎え、暦の上ではすでに秋に入った。そんなことを全く感じさせない程の暑さが続く日本列島だが、秋の味覚の代表格であるブドウの本格的なシーズンを迎えつつある。先日は1房110万円という超高級ブドウ「ルビーロマン」が話題となったが、中国でも大いに注目を浴びた。

 中国メディア・科技日報は8日、「日本の超高級ブドウが持つ価値の高さは、一体どこにあるのか」とする記事を掲載した。ブドウのみならず、牛肉やコメなど日本の農作物にしばしば破格の高値が付けられることを紹介したうえで、その背景について解説している。

 記事は、中国社会科学院農村発展研究所の研究者が、日本ではその年初めて生産された作物の「初競り」が、その作物をPRする意味合いも帯びていると解説したことを紹介。中国ブドウ協会会長が「高値のブドウというのはそもそもPRに過ぎない。中国でもこのようなやり方はある」としたことと併せて伝えた。

 一方で、宣伝的意味合い以外にも「高値の理由はある」とし、市場には高級品に対するニーズが確かに存在し、差別化された製品が開発されていること、日本は労働コストが高く、栽培や包装のコストなどといった要素も相まって高い値段が付きやすくなることを専門家が挙げたことを紹介している。

 また、新品種の開発者に対する保護制度についても言及。日本は新品種を開発した者への保護が十分であり、未許可で使用すれば重罰を受けるなど、開発者の権利が十分に保たれているため、多くの人が積極的に開発に取り組み、より良い品種が次々と誕生するとした。一方で、中国国内の制度はまだまだ不十分であるとし、この点で日本と中国の間に大きな差があることを説明した。

 「真似をすれば儲けられる」ような環境では、誰も新しい物、オリジナリティのある物を作ろうとはしない。どうせ誰かに真似されてしまうからだ。記事はさらに高品質な高級ブドウを開発するための具体的な制度や管理体制についても触れている。しかし全体を通じて最も訴えたいのはおそらく、「安心して新しい物を開発でき、相応の利益を享受できる環境」を早急に整えるべきだ、という至ってシンプルな事なのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)