『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』(正垣泰彦/日本経済新聞出版社)

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 低価格、高品質のメニューで消費者に支持され、一大イタリアンレストランチェーンを築き上げた外食の雄、サイゼリヤの創業者である正垣泰彦による外食経営の指南書『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』が、2016年8月2日(火)に発売された。

 同書は、『日経レストラン』誌に連載されていた「土壇場の経営学」をベースに書籍化した単行本に、未収録分11本を増補して文庫化したもの。

 タイトルには「自分の店の料理が美味しいと言ってはいけない。なぜなら、自分の店の料理をうまいと思っていたら、売れないのはお客さん、景気が悪いということにしてしまう」という意味が込められている。「良いものは売れる」という考え方は昔の天動説と同じであり、もう改善を進められなくなってしまうと自らを戒めている。

 正垣は、1946年兵庫県生まれ。東京理科大学在学中にアルバイト仲間から洋食店を譲り受け、千葉でイタリア料理店を開業。低価格メニューを武器に事業を拡大し、現在では海外を含め1,300を超す店舗を展開している。同書は著者唯一の書で、心にしみる言葉が次々に登場する。

・料理の味の善し悪しの80%は食材の質で決まる
・仕事とは「作業」の集まり。その作業の中で、時間のかかるものを短くできないか、無くせないかと考えることが、一番の効率化だ。
・いわゆる「失敗」と「成功」は、みんなを幸せにしようと頑張っているという意味では同じことだ。
・ある意味、ビジネスとは心を磨く修行の場のようなものだ。
・店で起きるあらゆる現象を観察し、可能な限り、数値や客観的データに置き換えて、因果関係を考えること。
・大切なのは、目標として追う数値を1つに絞ることだ。

 「安心感を与える値付け」「ヒットを生む2つの大原則」「儲かる店を作る財務」「値下げの限界点を見極める」「多店舗化のポイント」「人材の育て方」「自社の強みをどう磨き抜くか」といった、経営に携わる誰もが直面する課題について、その解決策をズバリ答える同書。外食関係者のみならず、店舗経営や顧客本位のマネジメントに関心のある方は必読だ。

※掲載内容は変更になる場合があります。