浅野は2試合連続ゴールの嬉しさよりも、決勝点を奪えなかったことの悔しさとチームへの申し訳なさを何度も口にした。写真:JMPA/小倉直樹

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 もし、コロンビアの選手に「対戦した日本の中で印象に残った選手は?」と尋ねたら何と答えるだろう。スーパーミドルを決めた中島翔哉、途中出場で起点となった大島僚太と南野拓実、オウンゴールの藤春廣輝……。いずれも可能性はあるが、一番は守備陣を最後まで苦しめた浅野拓磨ではなかろうか。

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 この日、これまでのスーパーサブではなく、スタメンで起用された浅野は序盤からエンジン全開だった。立ち上がりからスピードと裏への抜け出しでDFと駆け引きを続ける。

 しかし、前半は38分にコーナーキックにヘッドで合わせたシュートのみで、ミートできず枠に飛ばすことができなかった。

 さらに、後半開始早々にはアタッキングサードでボールをインターセプトすると、そのまま左足を一閃。相手GKがわずかに触ったボールはクロスバーを叩き、またしてもチャンスを逃してしまう。
 
 その後、リズムはコロンビアへと渡り、日本は59分、65分と立て続けに失点。苦しい状況に追い込まれたが、2点ビハインドとなった2分後に浅野の見せ場がやってくる。

 途中出場の大島僚太が縦パスで攻撃のスイッチを入れ、南野拓実がダイレクトで浅野へスルーパス。左足でピタリとボールを足もとにつけると、そのまま思い切り足を振り抜き、強烈な追撃弾をコロンビアゴールに突き刺した。
 
「拓実が中でボールを受けることによって、相手のマークが集中している間に僕がフリーになった。自分は変に動かず、相手の間にいることを意識しました。拓実が良いボールをくれて、あとは気持ちだけだった。(シュートは)特にコースも狙っていないんですけど、ゴールも近かったし、強く打ったら入るかなと。まあ、良い形でゴールに入ったので良かったです」
 
 74分には中島が強烈なミドルシュートをねじ込んで同点に。押せ押せムードになった日本は一気に逆転を狙った。しかし……。

 何度も浅野がゴールに迫るもシュートまでは持ち込めず、終了間際の90+3分にもDF2枚の間を縫って南野のロングフィードに抜け出したが、飛び出してきた相手GKにセーブされ、2-2でタイムアップを迎えた。

 試合後の浅野は2試合連続ゴールの嬉しさよりも、決勝点を奪えなかったことの悔しさとチームへの申し訳なさを何度も口にした。
「最後の場面も、拓実から本当に良いボールが来て、トラップまでは自分の中で思い通りでした。あとは、相手に挟まれて、GKが出てきているなかで、落ち着いて足に当てられるか、当てられないか。0コンマ何秒の勝負で、自分は慌ててしまい、良い状態でシュートを打てなかったので、そこは自分の力不足だと思います」
 
 自分の特長で勝負できていたと手応えを感じる反面、それ以上に痛感させられたのは、それだけでは世界とは戦えないということだった。浅野はさらに言葉を続ける。
 
「裏への抜け出しは僕の特長でもあります。僕が走ることによって、チームに良い状況ができるし、たとえボールを出さなくてもそこにスペースができる。相手としっかり駆け引きできていたかなと。だからこそ最後はゴールで終わりたかった。世界で通用するためには、抜け出しだけじゃなくて、フィニッシュまで行けることが大事だと思います。
 
 今日はチーム全員が球際でバチバチ戦ってくれて、チャンスもたくさん作ってくれた。僕たち攻撃陣がもっと早い時間帯で点を取れていれば、ゲームはもっと楽に進められたと思います。今日は(点を取るのが)ちょっと遅かったかなと。決め切れなかったところは、日本、そして僕自身の課題でもある。そこは目をそらさず、ひたむきにやっていくしかない」
 
 浅野を包む「悔しさ」と「渇望する勝利への想い」。次のスウェーデン戦で、大会3試合連続ゴールという最高の結果で実を結ぶことを切に願う。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)