8日、天皇陛下は「生前退位」の強い意向を表明。「象徴」としての望ましい在り方を話された上で、国民の「安寧と幸せ」を考えてきたと表明された。筆者が天皇や皇太子を取材していつも感じるのは「日本の象徴」「平和友好」への思いである。写真は皇居二重橋。

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2016年8月8日、天皇陛下は「生前退位」の強いご意向を表明。「象徴」としての望ましい在り方を話された上で、国民の「安寧と幸せ」を考えてきたと表明された。天皇や皇太子を取材していつも感じるのは「日本の象徴」「平和友好」への思いである。

天皇陛下は「戦争を2度としてはならない」との思いを常に抱かれ、戦没者慰霊の旅を重ねられた。広島、長崎、沖縄、サイパン、パラオ、フィリッピンなど内外各地を訪れ、被災者に心を寄せられた。

日中国交正常化20周年となった1992年10月には日本の天皇として史上初めて中国を訪問。天皇陛下は北京で歴史問題についても率直に語り、日中友好の礎を築いた。反対論が根強かった中で、陛下の「平和友好」への強いご意向もあったと言われる。

戦後70年の2015年頭には次のようなお言葉を述べられている。

「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが、今極めて大切なことだと思っています」

皇太子殿下・浩宮様の英オックスフォード大学大学院留学時代(1980年代半ば)に、筆者は通信社ロンドン特派員として、度々大学寮に訪ねて取材、スイス、リヒテンシュタインやスコットランドなどへの旅行や山登りにも同行したが、利発なのに謙虚。とても思慮深く、博識で、日本や世界のことに深い思いを巡らせていた。開明的な国際派でもあり、現地特派員や外交官らと「将来の天皇として相応しい」と話したことを覚えている。(八牧浩行)