生後7日目のサルの赤ちゃんの笑顔(京都大学霊長類研究所のホームページより)

ニホンザルの赤ちゃんも人間の赤ちゃん同様に寝ながら笑うことが、京都大学霊長類研究所の研究によって初めて確認された。同研究所の友永雅己教授らが2016年8月2日に発表、ウェブサイト上に動画と写真を公開した。

これは、新生児がまどろむ時に見せる「自発的微笑」と呼ばれる表情で、研究成果は霊長類学の学術誌「プリマーテス」(電子版)の2016年8月3日号に掲載された。

人間とチンパンジーだけだった笑顔の謎

研究チームによると、人間の新生児は生まれた直後から1歳前後までの睡眠中、本能的に口角を上げ、ほほ笑むような顔をする。「自発的微笑」は成長するにつれて消え、うれしい時などに見せる「社会的微笑」に変わっていく。チンパンジーの赤ちゃんも自発的微笑をすることが分かっている。

チームは生後間もないニホンザル7匹を調べ、すべての赤ちゃんに「自発的微笑」を確認した。人間と同様、全員眠りが浅い状態の時だった。人間の赤ちゃんの自発的微笑の場合は、親の愛情を引き出し、育児意欲を高めるためといわれてきた。しかし、ニホンザルやチンパンジーの場合、母親が笑顔とは認識していない可能性が高く、理由はわかっていない。

友永教授は「チンパンジーより早い、約3000万年前に人間の祖先と分化したニホンザルで自発的微笑がみられることは、笑顔とは何かを知るうえで興味深い」とコメントしている。