司馬遼太郎氏は、神社の鳥居のような形状の門を「サの字門」と表したそうですが、このように「文字の形」を利用した言葉は意外と多いそうです。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、こういった言葉の思わず「へえ〜」と唸ってしまうような「日本語の豆知識」が紹介されています。

「T字路」は正しくないの?

司馬遼太郎の『世に棲む日々』という小説を読んでいると、

杉家の門はいわゆる「サの字門」で、扉などはない。

という一文がありました。「サの字門」というのは、実は初めて見た言葉で一瞬戸惑いました。これは正式には「冠木門」と呼ばれるもので、門柱と、その間に横渡しの木(貫)があるだけの門です。形だけ言えば、神社の鳥居も同じ構造です。確かに片仮名の「サ」の字の形です。

杉家の門は冠木門で、扉などはない。

と書かれていたら、すっと読んでしまって「冠木門」が何かもあまり考えなかっただろうと思います。「サの字門」と書かれていたので、「あー、なるほど、門扉の無いタイプの門だな」とわかります。

こういう「字の形」を利用した言葉というのは、見た目で意味がわかりやすいですね。

TシャツやT型定規などはそのままですね。Tの字の形をしたシャツ。Tの形をした定規。わかりやすいです。ちなみに「Yシャツ」は「Yの字の形」を…していませんね。これは「White shirt」という言葉(和製英語ですが)の「ホワイトシャツ」を、それらしく(英語っぽく)発音した「音」というか「聞こえ方」から作られた言葉で、形とは関係ありません。ですから「ワイシャツ」と書くべきで、「Yシャツ」ではありません(ちなみに英語では「shirt」だけで十分。あるいは「dress shirt」です)。

Tの字の形と言えば…T字路というのもありますね。まっすぐな道を進むと、左右に分かれている、いわゆる三叉路(さんさろ)のことを言います。でも、これは本来は「丁字路(ていじろ)」が正しいのです。

え? ほんと? と思った方。運転免許をお持ちの方なら、免許更新の時にもらうハンドブックで道路交通法を見てみてください(ネット検索でも良いですが)。「丁字路」で出てくるはずです。「テイジロ」と発音する人がいても、決して「T」の発音がなまっているわけではありませんので…(なおNHK放送文化研究所のサイトでは、今は一般的に「T字路」もよく使われるので、放送では「丁字路」も「T字路」のどちらを使ってもよい、としています)。

字の形を元にした言葉では,他にも「分解」をするものがあります。

「女の忍者」を意味する「くノ一」。「女」という字を分解したものですが、これはみなさんもよくご存知でしょう(ですから「くの一」などと書くのは、組み合わせても「女」にならないので正しくありません)。

他に「ロハ」という言葉もありました。これはほぼ死語でしょうね。「只(ただ)」という文字を分解したもので、「今日はロハでいいよ」などと後輩をおごる先輩の言葉などで使われていました。

今、そんな言葉を使う人はいないでしょうね。私もずいぶん前(20年ぐらい前?)に、上司に言われたのを聞いたきりです。

探せば色々あるはずです。Vネック、O脚、Uターン・Jターンなどなど、アルファベットを利用したものは、形がわかりやすいのですぐに出てきそうです。

しかし、「サの字門」ほど「うまいなあ」という感じがないなと感じたところでした。

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出典元:まぐまぐニュース!