浅野のバー直撃弾が決まっていれば……。ただ、選手全員が0-2の劣勢に立たされても勝利を諦めなかったのは素晴らしい。JMPA/小倉直樹

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 リオ五輪のグループリーグ第2戦・コロンビア戦も先制点を許す苦しい展開を強いられた。藤春廣輝のオウンゴールで2点差となり、「気持ちが切れるかな?」と思ったけど、今日の選手たちはそうはならなかった。

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 がっくりとくるような失点でも落ち込むことなく、自分たちが今日まで積み上げてきたサッカーをできたのは大きい。先制点を奪うチャンスは、藤春のヘディングだったり、浅野拓磨のバー直撃シュートだったりと前半から多かったし、そこで取り切れなかったことがゲームを難しくしていたのは事実。
 
 ただ、途中投入された南野拓実も大島僚太も亀川諒史も、0-2のビハインドから勝利を諦めず、誰ひとりとして集中力を欠かなかったのは素晴らしい。局面で身体を張っていた。レフェリーのジャッジはアマチュアかと見間違うほどにどうしようもなかったけど、それは両チームに公平に与えられるものだ。
 
 個人的には、後半に入ってからの2枚目のイエローカードを心配していたんだ。でも、一人ひとりが怖れずに、戦う気持ちを前面に出していた。これは、スウェーデンとの試合だけでなく、日本サッカー界全体の今後につながると思う。
 
 ナイジェリア戦では、「彼らのサッカー哲学ってなんだ?」と疑問を持った。つまり、最終予選で見せたような戦いを、忘れているじゃないかと。このチームの良いところは、攻守において選手同士の距離が近く、サポートもカバーも連動してできていること。
 
 では、それを表現するためにはどうすればいいか。例えば守備ならば、最終ラインを安易に下げない。もし下がるのであれば、前線も一緒に下がる。つまり“コンパクトネス”がキーワードなんだ。ファーストディフェンダーのプレスも大事だが、日本の戦い方で本当に重要なのは、その次に誰がどの距離でカバーできているか。
 
 コロンビア戦はゲームの入り方でミスもあったけど、そういう意味での戦術的なミスはなかった。コンディション面で日本のほうが良かったにも関わらず、慣れないシステムで戦ったナイジェリア戦とは全然違った。
 
 ナイジェリア戦は結果として選手の距離感が開き、前線と最終ラインをコンパクトに保てなかった。そこを修正するのにはラインを下げる必要なんてない。ただ、“コンパクトネス”をしっかりと意識するだけで良かったし、それができていたからコロンビア戦では良い戦いができた。
 浅野や興梠が前線からプレスに行ったけど、遠藤と井手口がその動きに連動してインターセプトを狙えていた。ルーズボールを奪取する力は日本のほうが断然あった。日本の求めていたサッカーをピッチ上で出せていたからこそ、コロンビア戦は勝たせてあげたかった。
 
 ナイジェリアは日本、スウェーデンに連勝して勝点を6まで伸ばして勝ち抜けを決めた。3戦目となるコロンビア戦ではメンバーを落とすかもしれないけど、どうであれ日本はスウェーデンに勝つことが大前提になる。
 
 改めて言うけど、今回のチームの良さは誰もサボらないこと。一人ひとりが“コンパクトネス”を保つために運動量を落とさないで出し切る。それぞれがそれぞれの特長を引き出すために、全員で汗をかけるチームなんだ。
 
 だからこそ、まずはしっかり回復させることが大切。勝ち負けを除いて、グループBで日本のコンディションが一番いいよ。スウェーデンに勝てば勝点4で2位抜けの可能性が残っているんだから、0-2から追いついた今日のゲームを無駄にしちゃいけない。
 
 スウェーデン戦の鍵は、今回と一緒。今までやってきたサッカーを全員が再確認して、そのうえで先制点を取れれば言うことない。ただ、相手だって同じことを考えているわけで、駆け引きもしなきゃいけないかもね。
 
 最終ラインを安易に下げない。裏のスペースはGKに任せる、みたいな覚悟があったっていい。そのうえで前線からプレスに行って、ふたり目、三人目でボールを奪って、カウンターという作戦もあるだろうし、パスワークが上手いから、緩急をつけて攪乱する手もある。
 
 なんにせよ、局面で身体を張れるか。攻撃では「絶対にボールを取られない」、守備では「絶対にボールを奪う」。その覚悟が得点につながるんだ。大丈夫。今日のように戦えていたら、きっと勝利の女神は微笑んでくれるよ。