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アシストは7月22日、東京新宿のホテルにおいて、「アシストフォーラム」を開催。この中では、「従業員のパフォーマンス最大化へ、QlikViewでつくるDeNA流人材データベース」と題して、DeNAが実現した人材データの利活用についての講演が行われた。今回は、この模様をレポートする。

DeNAでは、事業の多角化に伴う人材ポートフォリオの多様化によって、経営の方針・戦略に基づいた組織デザインや人材配置・採用・育成をバランスさせる難しさに直面し、経営・事業部門のパートナーとして戦略的人事を推進するHRBP(ヒューマンリソース ビジネスパートナー)制を昨年より開始した。

同部署のミッションは、組織開発・人材開発のプロセスを通じて組織・人材をより強くすること、半歩先を見据えた組織作り/人的リソースアロケーションを行うことによって、人的リソースのバリューを最大化し継続的に事業に貢献することだ。

同社がデータを活用した人材活用の取り組みを開始したのは、横浜ベイスターズ買収で世間の注目を集めた2011年頃。会社や事業の急成長により急激に従業員が増え、配属や異動調整が追いつかなくなったことが契機だという。迅速な人材配置が求められるなかで、意思決定のベースとなる従業員の情報が複数システムに分散しており、情報収集に苦労するといった面も要因としてあった。

DeNA ヒューマンリソース本部 人材企画部 ビジネスパートナーグループ シニアマネジャー 貝瀬岳志氏は、「これまでの勘と経験と度胸に頼った人事には限界がある。われわれもデータに基づいて意思決定する必要性が出てきた」と語る。

同社は2011年にグローバルERPシステムを導入。これにより、従業員の情報がリアルタイムでデータベースに蓄積されるようになっており、人事部門では、データを活用した人材活用にあたっては、この情報を活用したいという思いがあったという。ただ、ERPが持つレポートでは機能が不足しており、そこでクリックテックが提供するBIツール「QlikView」を導入することになった。

QlikViewを導入した直後は、ERPシステムの補助的ツールとして人員数の集計などに利用していたが、その後、従業員アンケートの集計分析、人事データの統合データベース、異なるDB間のETLツール、労務管理など、徐々に用途を拡大していった。

QlikViewに人事データが一元化されたことで、人材配置を検討する際に氏名だけでなく、スキル、職歴、資格/免許、語学力、キャリアビジョン、評価など、さまざまな指標で従業員を検索し、条件に合う人のリストアップが可能になった。また、同社は毎月、従業員に対して今の仕事に対するやりがい度を調査しており、これらの情報を活かし、面談や配置換えを行うことで、離職防止に役立てているという。

DeNA ヒューマンリソース本部 人材企画部 酒井瞳氏によれば、同社では一時期、タレントマネジメントシステムの導入を検討していたことがあるという。しかし、ユーザやトレンドが流動的、決まった条件でしか抽出できない、労働法の改正などの変化に柔軟に対応できないなどの課題あり、同社では導入を断念したという。

酒井氏は、「QlikViewは自由度の高さと表現力の豊かさで、ユーザや時代のニーズに合わせた画面構築や改修などの対応が手軽にできるメリットがある」と語る。

そして同氏は今後について「ユーザに気づきを与え、思考を促すような画面を構築することで、一歩先の見える化を実現し、タレントマネジメントシステムに進化させていきたい」と締めくくった。

(丸山篤)