2016年2月12日に世界ではじめて観測された「重力波」。アインシュタインが約100年前に予測した理論が観測によって実証されたというロマンあふれるこの現象ですが、新たに東京大学などのグループがこの重力波は「原始ブラックホールが起源ではないか」という仮説を発表しました。
 
Physical Review Lettersに掲載された発表によると、初検出された重力波を生み出した連星ブラックホールは、ビッグバンの直後に形成した原始ブラックホールである可能性があるとしています。
 
以前には、初観測された重力波が太陽質量の30倍前後のブラックホールの衝突が生み出したことが報告さています。そしてこのブラックホールの由来については、さまざまな議論がありました。今回の報告では、このブラックホールは宇宙の誕生直後に「特に濃い領域が重力崩壊を起こしてできた原始ブラックホール」ではないか、としているのです。
 

 
原始ブラックホールが連星となった理由については、2つの原始ブラックホールに「潮汐力」をおよぼした他の原始ブラックホールの存在が想定されています。このように原始ブラックホールの質量が太陽の30倍程度でかつ暗黒物質への占める割合が小さいと仮定した場合、初観測された重力波のデータと一致することがわかったのです。
 
現在重力波の観測は初観測に成功した米国のLIGOだけでなく、日本の重力波望遠鏡「かぐら」や、宇宙重力波望遠鏡「発展型LISA(eLISA)」も稼働を予定しています。いよいよ本格的に始動を始めた重力波天文学ですが、今後もきっと宇宙の始まりの姿を解き明かしてくれることでしょう。
 
Image Credit: pbs.org
■初検出された重力波の起源は原始ブラックホール?
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