夏の「温活」やり過ぎにご注意 熱中症の恐れも

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日頃から身体を温めることを意識し、冷え性など女性特有の症状に対処しようとする「温活」。寒い季節だけの話かと思ったが、夏こそ必要という意見もある。筆者は男性だが冷房が苦手。電車で移動する際には夏でも長袖シャツが欠かせないので、何となく分かる気はする。とはいえ、暑い夏にことさら身体を温める必要はないだろうという気がしないわけではない。実際のところはどうなのだろうか。

■「温活」のイメージ

温活といえば、首や手首、足元から熱を逃がさぬようマフラーや厚手の靴下を着けたり、ぬるま湯に長時間浸かったり、生姜や唐辛子を使った温かい食べ物を摂るなどして身体を芯から温めるイメージがある。

まるで我慢大会だ。いくらなんでも辛いのではないか、と思って「夏の温活」を調べてみたところ、「冷房に当たりすぎないように」「アイスを食べ過ぎて内臓を冷やさないように」など身体を冷やし過ぎないように注意する内容が多かった。そりゃまぁ、そうだろう。

■西洋医学では「温活」に根拠なし

ここで医師の意見を伺った。南相馬市立総合病院(福島県南相馬市)の山本佳奈先生に聞いてみたところ……。「冷え性という西洋医学の病名はなく、漢方医学の範疇になります。寒証という体質が、いわゆる冷え性に相当します。西洋医学では、解熱剤など体を冷やす治療しかありません」と少し困った様子。

続けて「私も冷え性なので体験として温活の概念は理解できます」と話すが、残念ながら「山岳遭難などでの低体温症は体を温めたりする必要がありますが、それ以外では冷え性やいわゆる温活について、西洋医学的に根拠は見出せない」とのことだ。

一方、夏場の行き過ぎた温活については「寒証の方が、温めた方が気持ち良いのであれば、それは適切な温活と言っても良いでしょう。とにかく冷やしてはいけない、と保温しすぎるのは体調を崩す原因になります。なんでも中庸が大切で、極端に意識した結果、体内に熱をため込み過ぎては熱中症の恐れもあるので気をつけてほしい」と警鐘を鳴らす。猛暑が予想されるだけに今年は特に注意が必要だ。

ただ冷やしすぎてはお腹をくだしたりと身体に良くないのも事実。山本先生は「夏場の冷たいものも美味しいですよね。冷え性の方は冷たいものを召し上がった後に温かいショウガ茶を飲むなど、お腹を冷やしすぎないように工夫してはいかがでしょう?」と提案する。冷やすのも温めるのもほどほどに。

「教えて!goo」では「暑い夏だからこその温活、どう思う?」ということで意見を募集中だ。

●専門家プロフィール:山本佳奈
滋賀県生まれ。医師。滋賀医大卒。2015年4月から福島県の南相馬市立総合病院に勤務。著書に「貧血大国・日本」。

(武藤章宏)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)