コロンビア戦キックオフ前に公式発表されたスタメン。日本は、初戦から先発4名を入れ替えた。GKは櫛引に替えて中村。DFはそのままで、中盤はボランチに井手口を起用。左サイドは南野をベンチスタートさせ、矢島を抜擢した。2トップは、興梠と浅野という組合せに。

写真拡大 (全2枚)

「マストウィンゲーム」――。ナイジェリア戦の敗戦で早くも窮地に立たされた手倉森ジャパンは、グループリーグ突破のためにはコロンビア戦で何としても勝利が必要だ。しかし、この状況下でも指揮官は決して涼しい表情を崩さない。これまで幾多の試練を乗り越えてリオ五輪出場権を勝ち獲ってきただけに、「逆境に立っていることが、このチームの普通。次からいよいよオリンピックが始まるなっていう感じです。もう1試合練習が足りなかったんだなと思うようにしている」と説く。
 
 では、“決戦”を制する鍵となるのは――。
 
「コロンビアは柔軟性のあるチームだなと。彼らのストロングは素早い縦への攻撃。それができなくても、コンビネーションでボールを動かせる。前線の選手が嫌らしい仕掛けをしてくるので激しい守備が必要だと思います」(手倉森監督)
 
「コロンビアは前線にオーバーエイジの個の能力が高い選手がいる。カウンターには注意を払わないといけない」(南野拓実)
 
 監督、選手が警戒するのが強力な攻撃陣だ。とりわけ、ブラジル・ワールドカップの出場経験を持つ点取り屋のテオフィロ・グティエレス、攻撃の起点を担う万能戦士のドルラン・パボン、懐が深くキープ力も高いミゲル・ボルハの3人は息の合ったプレーで襲い掛かってくる。スウェーデン戦の1点目は、パボンが中盤でボールを奪うと、裏に抜け出したグティエレスに絶妙なスルーパスを通して電光石火で決めたもの。南野の言うように、鋭いカウンターは絶対に封じなければならない。
 
 初戦で5失点と崩れた守備の立て直しは不可欠だ。前日練習(冒頭15分以外非公開)では、4-4-2でフォーメーション確認を行なった。慣れ親しんだシステムを採用し、「もう一回、自分たちのやり方で失点を抑える」(矢島慎也)のが狙い。ボールの奪いどころを見出せなかったナイジェリア戦の反省を生かせるかが鍵となりそうだ。
 
 先述した通り、手倉森監督は8月6日の練習で4-4-2を採り入れた。その後の囲み取材で、システムについて問われた際にも「2試合でしかオーバーエイジが融合していないから、いろんな形をやり続けている」と話しており、4-3-3からの変更はほぼ確実と見ていいだろう。
 
 中2日でコロンビア戦を迎えるとあって、気になるのは選手起用である。「出続ける選手もいるでしょうけど、変えるところは変える」「対コロンビアに利くオーダーで入っていく」という指揮官の言葉をヒントとするならば、何人かスタメン変更はありそうだ(※スタメンは初戦から4名を入れ替えた)。
 
 最も注目なのは、CBに誰を選択するか。ナイジェリア戦で3失点に絡んだ塩谷に変えて岩波拓也を起用することも考えられるが、前日練習で、岩波が厳しい表情で真っ先に会場を後にした光景を見ると、引き続き植田と塩谷のコンビとなるのかもしれない(DF陣は、ナイジェリア戦と同一メンバーとなった)。
 
 GKはブラジル戦でキレのある動きを見せていた中村だろう。5失点しても櫛引に対する指揮官の信頼度は依然として高いが、「与えた失点があるから、そこはテコを入れたいなと思っている」と話しており、所属クラブでレギュラーを張る男の鋭いセーブに期待したい(※GKは櫛引に代わり中村が先発)。
 
 基本的に、最終ラインと中盤の顔ぶれは変えないと予想する。ただし、手倉森監督は「ボールに行ける、前に出て行ける、ビビらない姿勢でいかないと、世界はなかなか勝たせてくれない」と積極的な守備を説いており、場合によってはSBに亀川、中盤に井手口とフレッシュな選手を入れることもあるかもしれない(※ボランチには大島に代わって、井手口を起用)。
 
 2トップは興梠と鈴木か。練習では「興梠―浅野」「鈴木―オナイウ」の組み合わせだったが、まずは0-0でゲームを推移させ、後半勝負のゲームプランを考えると、浅野はスーパーサブ起用が濃厚。ナイジェリア戦で鮮やかな切り返しからゴールを陥れた鈴木が、先発に名を連ねても不思議はない(※2トップは、興梠と浅野の組み合わせとなった)。
 
 手倉森ジャパンは、勝点3を課せられたコロンビア戦を制することができるか。五輪の大舞台で真価が問われる。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)