【登山】秩父の山・二子山に「ヨセミテ」を重ねた日「こんなにハードとは聞いていなかった!!」

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「埼玉県秩父にある山・二子山に登ろう」

登山仲間の中でも「特に心配性」な友人が提案してきたものだから、どんな山か知りませんでしたが、さほど気にせずに快諾。秩父にある山・二子山を訪れました。

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ところがその山のハードさに気付いたのは、登山口到着後から2時間ほどが必要でした。年に2回ほど登山をたしなむ登山初級者が、そんな二子山体験をふり返ります。

二子山は、石灰岩からなる岩峰。二つのピークがあり、それぞれ西岳(1,165.8m)と東岳(1,122m)となっています。今回はより高い方、つまり西岳を目指してみました。

で、道中、車の中で話していたのですが、友人(2人)はそろって同山にアタックしたことがあるようで、その時の話しになりました。

「なんだ、友人2人は2回目か。というか、よっぽど良い山なんだな」と思っていたら、予想に反する結びとなりました。

というのも、2人でアタックした前回は悪天候のため、股峠という西岳と東岳の分岐のところで断念、折り返すかたちで帰宅したとのこと。

「………えッ? なんて言った、いま」

どうやら一緒に行く友人らは、約1時間で上れる股峠までしか行っておらず、そこから先は知らないというのです。

「ナゼ、ソレヲサキニイワナイ」

なぜならばその2人は心配性ではあるが、どこの誰だかわからない個人ブログの情報だけを頼りに山に登ろうとする異端児たちだ。

「今回もヤバいのでは」と、一瞬よぎりましたがスムーズに登山口についたこともあり、静かに登山はスタートしました(午前8:00)。

登山口には、バイオトイレがあるので要チェック。

また、どちらかというと滑りやすい土質ですのでこちらは要注意。ここから股峠までは、緩やかな登りと急な登りが交互に続きます。

ただ、さほど苦しいという急登ではないので、登山中級者にとってはアップ程度の登りになるのではないでしょうか。だいたい1時間ほどで股峠に到着します。

というか、1時間で前回は断念したのかと思うと、よほど天候が悪かったのでしょう。

■上級者コースを回避して、一般コースへ

さて、ここからが問題の西岳。どうやら西岳には上級者コースと一般コースがある様子。

で、ここの上級者コースは壁をよじ登るようなコースとなっており、また、事故防止のためにルート上の鎖の殆どが取り除かれているというのです。

原始のまま残る西岳。「なんて自然に優しい山なんだ」と、ポジティブな気持ちにはなれず、いささかモヤモヤしながら一般ルートを選びました。

やはり、この2人と上級者コースは心配……。西岳の岩場はほぼ垂直のようなものがチラホラ。ヘルメット・手袋もなしに訪れた我々には登るべき山ではありません。

皆さん、くれぐれも上級者コースにチャレンジする際は十分な準備を!!

物足りないと思う登山者の方、安心してください。一般コースもなかなかハードです。

初級者コースでも鎖場がいくつかあります。滑落すると大きな事故になるので慎重に。

当日は雪も残っておりなおさら慎重になりました。腕を使って足をつかって、うまく体重を移動させながら鎖を登っていきます。そこからおよそ90分で山頂に。

ただ、そこからが怖かった。稜線にそって下山していくのですが、痩せ尾根のため注意が必要。ここで滑落するとこれまた大事故となります。慎重に足を伸ばし、両手を伸ばし、ゆっくりと下山。

数時間前には大事故のことなんて想像することは無かったのですが、これは一歩間違えるとありえるぞと……自分のたちの準備不足を後悔。

これ、登山で絶対にやってはいけないことですね。



無事に下山することができましたが(午後14:00)、ふり返って自分たちの登った山を見返すと、ふと、友人がつぶやきました。

「ヨセミテじゃないか」

(ヨセミテには登ったことがないですが、それほど迫力があったので)私は、大きく頷きました。