第2戦の相手、コロンビアの指揮官に最重要人物として挙げられた興梠。厳しいマークが予想される。写真:JMPA/小倉直樹

写真拡大

「13番のコウロキは、良く動いて経験もあるスマートなプレーヤー」
 
 前日会見でコロンビアのカルロス・レストレポ監督は、日本の要注意人物を挙げる際、唯一興梠慎三を名前付きで呼んだ。(その他に挙がった中島翔哉と遠藤航は、「左サイドのナンバー10はグッドプレーヤー」「ナンバー3のキャプテンは攻守にチームの中心を担う選手」)。それだけ、手倉森ジャパンの“攻撃の核”を警戒しているのだろう。
 
 そのことに水を向けられると、興梠は照れとも苦笑とも取れる表情を浮かべながら、コロンビアの印象について語る。
 
「本当ですか(笑)。まあ、そういう風に言ってくれるということは厳しく(マークに)来るだろうし、それを掻い潜るようなプレーをしないといけない。でも、まずは失点しないことが一番重要かなと思います。(コロンビアは)強いのは強いですけど、間違いなく勝てないという想いはまったくない。やっぱり守備から入って、0-0で耐えることによって向こうも(前に)出てくるはずなので、そういうところで小さい隙をどんどん狙って行ければいいなと」
 
 興梠は攻撃の選手だが、口を突くのは守備の話。やはり、5失点と崩壊した守備を立て直さなければ、勝機はないと考えている。日本らしい「組織的な守備」を出していきたいと意気込みを語る。
 
「ナイジェリアは中盤のパス回しが上手かった。『行ったけどなかなか取れない』という状況が続いて、(前に出て)行けなくなった部分もある。上手く(コースを)限定できていないのかなと。サイドに入れさせて、そこから中を切りながら取りに行くだけだと、そこからさらに中に行かれるので、上手くハマってない気がした。間あいだで簡単に受けられるような場面もあったので、(コロンビア戦では)自分たちがやろうとしていることを相手にやられてはいけない」
 
 興梠は「何回も言うようですけど」と前置きし、「(失点を)0で抑えないと厳しいのかなという気がします」と付け加えた。
 
「僕たちはもう(試合を)落とせないので、もちろん全力で勝ちに行く。一人ひとり責任と誇りを持ってやらないといけない」
 
 日の丸の重みを噛み締めながら、興梠は運命のコロンビア戦に向かう。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)

【リオ五輪PHOTO】コロンビア戦前日練習