交渉上手は相手の表情を察知して戦略を変える能力に長けている!?

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◆交渉上手は微表情を読んでいる

 みなさん、こんにちは。空気を読むを科学する研究所代表取締役の清水建二です。

 本日は、交渉を上手く進めるための微表情活用法についてご紹介いたします。

 交渉上手な人には共通した特徴やスキルがあるのだろうか、と日々様々な研究が重ねられています。そうした研究の中に、交渉能力と表情識別能力との関係について考察している研究があります。

 この研究によると、交渉の売り手側のスキルと表情識別能力とには正の相関が見られる、ということがわかっています。

◆相手の表情を察知しながら戦略を練る人が勝つ

 この研究の実験参加者らは売り手もしくは買い手役にランダムに割り振られ、一人の売り手と一人の買い手が二人一組で実験用に作られた電球の売買交渉ゲームをします。交渉ゲームの利得構造は、お互いがwinのwin関係になり得るように設計されているものの、個々の交渉スキルに応じて交渉後にそれぞれが獲得する利得は変化するように設計されていました。

 交渉ゲーム終了後、様々な表情写真が用いられ、実験参加者の表情識別力が計測されました。

 交渉ゲームの獲得額と表情識別力とを比べると、売り手側であった実験参加者の利得獲得額と表情識別能力とに正の相関が見られることがわかったのです。

 この実験結果と私たちの日々の交渉体験を合わせて考えると、商品・サービスの売り手側は、刻一刻と買い手の表情変化を読み取りながら、売り手は自らの利になるように交渉戦略を変化させていくのかではないかと考えられます。

◆買い手の感情の方向性に適正額を合わせる

 このことを具体的なシーンからご紹介したいと思います(※1)。シーンは、某コンサルタント契約の顧問料を決める一コマです。ご自身が売り手と想定して、買い手の表情変化からどう戦略を変化させるか考えてみて下さい。

売り手:ご相談のタスク内容を考慮致しますと、月額500,000円の顧問料が妥当かと存じます。

買い手:わかりました。一度、持ち帰らせて頂き…

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=104472

問題:このとき、妥当な顧問料にするために買い手にどんな言葉を言いますか?

 まずは買い手の表情を正確に読みとることが大切です。眉が下がり、ホウレイ線のしわの上部のみが深くなり、上唇が上に引き上げられています。これは嫌悪の表情です。現実の交渉の場でこうしたネガティブな表情は微表情として、もしくは極微かな表情筋の動きとして表れてくることが普通です。嫌悪は受け入れ拒否を意味する感情です。つまり、この顧問料は高い、と考えている可能性が濃厚です。

 交渉をまとめ顧問契約を得る確率を上げるには、例えば、「ただし、月額500,000円というのは定価です。弊社としましても御社との関係は光栄でありますゆえ、もう少し値段を下げさせて頂ければと思っております。」といったように、顧問料を下げる、値段を下げなくても他の有料オプションを無料でサービスするという方法が考えられます。要は、買い手の受け入れ拒否の状態を取り除けば良いのです。

◆微表情を観て交渉をダイナミックに変える

 次の場合ならどうでしょうか?

買い手:わかりました。一度、持ち帰らせて頂き…

⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=104475

 左の口角に比べて右の口角が高く引き上げられているのがわかります。これは軽蔑の表情です。軽蔑は優越感を示す感情です。この顧問料を聞いて、買い手である彼は「安い!」と思ったからこそ優越感、勝ち誇った感情を感じた可能性が高いと考えられます。もちろんこうした感情を前面に表すわけにはいかないために、この表情も微表情や僅かな表情筋の動きを伴った形で表れてくるでしょう。