男性特有の前立腺がんのように、『5年生存率』が末期を除いてほぼ100%のものもあれば、すい臓がんのようにステージ1でも30%強というものもある。また、一概に生存率と言っても、調査対象者特性(性別や年齢)、進行度などによってバラつきが出るうえ、統計を取っている病院側でも診断が異なっている。
 「例えば国立がん研究センターや、がん研有明病院、聖路加国際病院、東大病院でも、それぞれ違う。さらに途中で追跡不能になる場合や、他の病気で死亡する例もあり、集計方法によっても違いが出てきます。そんな中で、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)のデータは、患者にとって必見です」(前出・健康ライター)

 全がん協のホームページでは、全国32の医療機関の症例から算出されるデータを公開しており、知りたい条件を入れて検索すれば、個別の生存率を知ることができる。
 「5年生存率」を知ることがなぜ重要か。それは、その数値いかんで残された時間をどう過ごすかを考えることにもなるからだ。数値が悪いからと言って悲観することはないが、それでも数値が低ければ人生の選択肢は変わってくるだろう。
 「例えば現役サラリーマンで、すい臓がん“ステージ2”と診断されれば、即座に会社を辞めるでしょう。そして“終活”を考える。がんは、心筋梗塞や脳卒中と違い最後の時間が与えられる病気です。加えて、どこにできたのかによって、助かるケースと助からないケースに分かれもする。残酷な病気ですが、敵を知ることこそ心構えが備わり、命を守ることにもつながるのです」(同)

 東京社会医療研究所の片岡智彦医師は言う。
 「ステージで言えば、0〜2期ぐらいまでは治療率がいい。医師は手術でがんを取り去ったら『よし』とします。あとは5年間、経過観察です。もちろん、抗がん剤も使わない。そのため再発の傾向が強くなるのは3期あたりからです。再発は、ほとんどの場合5年以内に起こり、3年以内が多い。ですから、5年間はきっちり見る必要があるわけです。それで再発がなければ、治癒したとみなし『寛解しました』とお伝えしています」

 ただし、3期からは手術の前に化学療法でがんを叩くことも行われるという。4期の場合、肝臓や肺などは遠隔転移しているがんを切除し、大腸の原発巣も、取れるものは徹底的に取り去る。原発巣が取れなければ化学療法になる。また、原発巣と遠隔転移したがんの両方とも取れない場合にも化学療法で、小さくなったら手術する、というケースも最近は増えているという。
 この後期から末期の大腸がんの5年生存率はどうなっているのか。ステージ分類とともに用いられるデュークス分類C(ほぼ3期に相当)は70%なので、大腸がんの助かる確率は、やはりがんの中では高いといっていい。
 「3〜4期の5年生存率は、近年確実に上がっています。ただし、治る、治らないということとは、また別問題なのです。4期の場合、抗がん剤でかなり延命するためで、治ったということではありません」(同)

 突如受けるかもしれない、がん宣告。その時、あなたは何を考えるか。