あれ、こんなところにシミが...?

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真夏のバーベキューや屋外でのスポーツ観戦。じりじりと肌を焼く紫外線が気になる季節だ。

では実際、どのくらいの時間、太陽の下に顔をさらしているとシミができるのだろうか?

ケアしないで洗濯物を干すのは危険

再生未来クリニック神戸院長・神戸大学名誉教授の市橋正光医師らは、「60歳または80歳までシミのない肌を保つには、1日何分まで紫外線を浴びられるか」という研究を行った。市橋医師は紫外線による皮膚の老化(光老化)研究の第一人者。今回の研究結果は2014年9月、『Experimental Dermatology』オンライン版で発表した。

市橋医師らはまず、日本人が年間に浴びている平均紫外線量を計算した。浴びてから24時間後に肌が赤くなるのに必要な、最小限の紫外線照射量をMEDという単位で表すと、日本人の場合、1MEDは真夏の日中、10〜14時のもっとも紫外線量が多い時間帯に約20分間紫外線を浴びた量に相当する。今回の研究で、日本人が年間に浴びている紫外線量の平均は200MEDと算出された。

紫外線量が蓄積して4000MEDに達すると、シミができるという。つまり、生まれてから何の対策もせずにいると、20歳になるころにはシミができる計算になる。60歳までシミをつくらないためには、4000MED÷60=66.7MED。つまり年間66.7MEDまでしか紫外線を浴びてはならない。80歳までなら年間50MEDで、平均の4分の1だ。

 

次に、市橋医師らは「ノーケアで1日に何分間、紫外線を浴びられるか」を算出。詳しい計算方法は省くが、60歳までシミを作らないためには、真夏で1日3.27分、春と秋は6.6分、冬でも16.3分が限度だ。80歳までなら真夏で2.54分、春秋5.8分、冬では12.7分まで。真夏だと洗濯物干しすら終わらない。アウトドア活動などもってのほかだ。

「日焼け止め」やヨーグルトに効果あり

ただし、この数字は「何の対策もしていないとき」の話だ。市橋医師らは、SPF50の日焼け止めを塗った場合についても検証している。

「SPF」とはUV-Bを防ぐ指標で、SPF10は「日焼け止めを塗っていないときに比べて、UV-Bが皮膚に届く量を10分の1にする」という意味だ。SPF50の日焼け止めを塗った場合、60歳までシミを作らないなら、真夏で3.27分×50=163分。80歳までなら127分まで延びる。「2時間あれば、サッカーでもビーチバレーでも十分にできるのでは」と市橋医師。こまめに塗りなおしたり、帽子をかぶったりすれば、さらに防御効果を高められるだろう。

体の内側からケアすることも大切だ。紫外線対策によい食べ物としては、ビタミン豊富な果物や野菜、抗酸化作用のある食品などが代表的だが、最近、ある種のヨーグルトにも紫外線予防効果があることが明らかになった。

市橋医師は、株式会社明治との共同研究でコラーゲンペプチドとミルクセラミド入りのヨーグルトを飲む臨床試験を実施した。

試験では、30〜50歳未満の女性22人のうち12人に、ヨーグルト190グラムを1か月間毎日摂取してもらった。その後、全員の皮膚の一部に紫外線を照射して皮膚の赤みと色素沈着の変化を測定したところ、ヨーグルトを摂取した人の肌は、摂取前より赤みと色素沈着が抑制されたという。効果のメカニズムは明らかになっていないが、コラーゲンペプチドとミルクセラミド入りのヨーグルトは、新たな紫外線対策食品として期待されている。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸の調子を整えることで肌トラブルを予防する効果がある。中には、肌のバリア機能を高め、乾燥を防いでくれる機能性の高い乳酸菌や、ビタミンC、Eなど美容成分を配合したものなど、各社からさまざまなヨーグルトが発売されている。目的や好みに合わせて試してみるのもいいだろう。

市橋医師は、「紫外線を浴びると遺伝子に間違いが起き、それが蓄積することで害になります。子どものころから対策することがとても大切」と強調する。小さなころから親がケアをしてあげれば、成人式で「美肌」を贈ることができる。「自分自身はすでに手遅れ」という人も、これ以上、紫外線を蓄積しないために、体の内と外からしっかりと対策をしよう。

[監修/市橋正光 神戸大学名誉教授・再生未来クリニック院長]

参考論文
The maximal cumulative solar UVB dose allowed to maintain healthy and young skin and prevent premature photoaging
DOI: 10.1111/exd.12393 PMID: 25234836

(Aging Style)