関連画像

写真拡大

企業が、内定を出した学生の親に連絡して、入社を承諾しているかどうかを確認するーー。そんな「オヤカク(親の確認)」と呼ばれる行為が就職活動でおこなわれているそうだ。親の反対による内定辞退が増えていることを踏まえたものだという。

東洋経済オンラインの記事「採用担当者を悩ます『オヤカク』対策って何?」によると、「オヤカク」が必要とされる背景として、就職活動に対する親の関わり方が変わってきたことを指摘。少子化によって、子どもの教育や就職への思い入れが、「かつてと比べると格段に強くなっている」そうだ。

もし、「オヤカク」してきた企業が、親の意に沿わない企業だった場合、その場で子に代わって、勝手に内定辞退してしまうことがあるかもしれない。親が勝手に学生の内定を辞退する意思を示した場合、その意思表示は法的に有効なのだろうか。大山弘通弁護士に聞いた。

●20歳以上の子の意思表示を、親が取り消すことはできない

「まず、就活生が未成年か、成年かで結論は変わります。

未成年の場合、親(親権者)は、親が同意していない未成年者の法律行為を取り消すことができます。そして、労働契約を結ぶことは法律行為です(通常は内定通知をもって労働契約成立とされます)。

したがって、未成年者の場合、親は就活生がした労働契約を取り消すこと、すなわち内定を辞退することができ、親がした内定辞退の意思表示は有効です」

大山弁護士はこのように述べる。20歳以上の場合はどう考えればいいのか。

「成年の場合、そもそも親の監護のもとにはなく、独立した一人の人格として親の干渉を受けることはありません。

親が何をしようとそれによって成年である就活生の労働契約を含む法律行為が影響を受けることはありません。

したがって、親が就活生の意思と関係なく勝手に内定辞退をしても法的に意味はありません。

ですから、企業が『オヤカク』して親の意向を参考にすることの是非はともかくとして、企業としては、『親が内定辞退をしたから就活生が内定辞退したもの』として扱うべきでなく、本人に確認することが必要となります。

ただし、『オヤカク』に対して親が勝手に内定辞退の連絡をしてしまったことを就活生が知っていながら、あえてそのまま放置するような例外的な場合には、親が勝手に行った内定辞退の意思表示が就活生の真意に基づくと認められてしまうことがあります。

そこで、勝手な内定辞退が分かったら、就活生は内定企業に『内定辞退する気はない』ことをしっかり説明しましょう」

大山弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
大山 弘通(おおやま・ひろみつ)弁護士
労働者側の労働事件を特に重点的に取り扱っている。労働組合を通じての依頼も数多く、もちろん個人からの相談も多い。労働事件は、早期の処理が大事であり、早い段階からの相談が特に望まれる。大阪労働者弁護団に所属。
事務所名:大山・中島法律事務所
事務所URL:http://on-law.jp/