いきなり追い詰められた。48年ぶりのメダル獲得を目ざすリオ五輪代表の視界には、はっきりとした靄がかかっている。

 五輪の1試合4得点は、96年以降の大会で最多である。同時に、1試合5失点はワースト記録だ。堅守を強みとしてきたチームだけに、試合後の指揮官が「手倉森ジャパンらしくない試合をしてしまった」と話すのも無理はない。

 シナリオとしては最悪である。

 常に追いかける展開となり、しかもその原因がミス絡みなのだから、反発力を見せるのは難しい。2対2でハーフタイムを迎えればギリギリで修正は効いたが、前半終了間際の失点が痛かった。さらに加えて、後半開始から10分圏内で4点目を喫してしまう。パワーの注ぎどころを理解したナイジェリアの戦いが見事と言えるが、逆説すれば日本のゲーム運びが稚拙だったと言わざるを得ない。後半の2失点もミス絡みという事実は、修正能力の甘さをも露呈している。

 3試合総当たりで順位を決めるW杯と五輪では、初戦がきわめて重要な意味を持つ。黒星スタートからノックアウトステージへ進出したチームもあるが、日本はどちらの大会でも初戦で勝点をあげなければグループリーグを突破できていない。

 中2日で挑む第2戦は、コロンビアが相手だ。日本対ナイジェリア戦に先駆けて行われたスウェーデンとのゲームで、コロンビアは2対2の引き分けを演じた。ミディアムテンポのゲームは見どころが少なく、日本のグループが準々決勝で激突するグループAの2試合──イラク対デンマーク、ブラジル対南アフリカのほうが、インテンシティの高い好ゲームだった。

 そうはいっても、スウェーデン戦のコロンビアの戦いぶりを、そのまま彼らの実力と見なすのは早計だ。ゴールの予感がほとんど漂っていない展開から、いきなりネットを揺らすしたたかさは侮れない。日本がナイジェリア戦のようなプレーをしたら、間違いなく失点を与えてしまうだろう。

 ナイジェリア戦後の手倉森監督は、「失点があまりにも多過ぎたが、反省するところをすればしまったゲームになる」と前向きな姿勢を強調した。失点を招いたミスは、コミュニケーション不足と球際で戦いきれていないことにまとめられる。どちらも気持ち次第で改善できるものだ。

 コロンビア戦までの二日間で、個々の技術やチームの成熟度を劇的に変えることはできない。だからこそ、ピッチに立つ選手のメンタルが大切になる。

 過去の日本代表や五輪代表と同じように、このチームも黒星スタートからの巻き返しを果たせずに終わってしまうのか。個々ができることをひたむきに、愚直に表現することが、歴史を変えるための大前提である。