Jリーグでは見せないような不安定さを露呈した最終ライン。中盤も含めて、連動した守備を改めて追い求めるべきだ。JMPA/小倉直樹

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 5失点したけど、4得点できた。リオ五輪の初戦・ナイジェリア戦は攻守でまったく別の捉え方ができる。はっきり言って、守備はお粗末だった。ただ、攻撃ではゴールシーン以外にもチャンスを作れてはいた。そこはポジティブに捉えたい。
 
 ただ、敗戦から目を背けるわけにはいかない。まず守備の話をすると、直前に行なったブラジル戦の経験を活かせなかった。ズルズルと引いてしまい、開始6分で失点。右SBの室屋成、CBの塩谷司と植田直通、左SBの藤春廣樹と、全員のパフォーマンスが悪かった。
 
 1失点目は藤春が簡単に抜かれ、2失点目は室屋が目測を誤って、3失点目は植田がクリアミス。4失点目のPKは塩谷のファウルが原因だった。全員、Jリーグでは見せないような萎縮したプレーで、GKの櫛引政敏も含めて、守備陣があれだけ不安定では勝てるゲームにならない。
 
 1対1で後手を踏んでいたのも気に掛かった。だからカバーに入って2対1で対応するけど、それでも振り切られるシーンすらあった。それでどんどんとズラされてしまう。中二日でコロンビア戦を迎えるけど、早急な対策は必須になる。
 
 ただ、最終ラインだけのせいかと言えば、それは違う。例えば相手FWに縦パスが入った時の中盤の選手の動きはどうたったか。もちろんCBが食い止めなければいけないけど、ボランチ(今回は4-3-3のためアンカー)が連動して上手く挟み込んで抑えなきゃダメ。
 
 その意味では、最終ラインの4人は「もう少ししっかり寄せてくれ」という想いがあったかもしれない。1失点目は藤春と中島翔哉がボールホルダーに対応したけど、中島が途中でフッと力を抜いていた。そういう細かい部分が失点へと直結しているんだと、再認識してほしい。
 
 また、ナイジェリア戦では遠藤航をアンカーで起用したが、前に引き出されていたように感じた。だからバイタルエリアにボールを入れられて、簡単に起点を作られてしまった。結果として4得点しているから、前掛かりな姿勢を全否定しているわけではない。それでも、遠藤に我慢させてバランスを取る方法もあったはずだ。
 
 アジアを飛び越えた国際舞台では、1対1の強さは絶対に求められる。そこで不利を感じるのであれば、きちんと守備組織を整えないと。人任せというか、自分のマークで一杯一杯なのか分からないけど、バラバラに守っている印象を受けた。
 それにしても、相対的に見てナイジェリアのサディク・ウマルは凄かった。所属元のローマでは、昨季は6試合のみの出場だったけど、ポテンシャルは感じさせた。「いつも戦っているレベルから考えれば楽勝」って感覚だったのかもしれない。
 
 批判はしたくないけど、日本は分析面でちょっと準備が足りなかったんじゃないかな。サディクへの警戒が薄かった気がするし、何回も起点を作られてピンチを迎えた。FWに危険なエリアであれだけキープされる、あれだけ前を向かれると、やっぱり失点につながってしまう。
 
「初戦が大切」は大きな大会での常套句になっているけど、実際にどんな位置づけで臨んでいたんだろう。なぜ、ここにきてアンカーを配置する4-3-3を使ったのか。手倉森ジャパンは堅守が売りなのだから、4-4-2なり、4-2-3-1といった慣れた布陣を採用するべきだったのでは。
 
 常に自分たちが優位にゲームをコントロールできる、日本はそんな世界トップレベルの強豪国ではない。だとしたら、相手の出方が分からないなかで、前半は堅実に4-4-2で立ち向かうべきだったと個人的には考えている。そのほうが緊張だって和らいだのではないだろうか。