来月の香港議会選挙を控え、中国による締め付けが強まり、中国からの独立を唱える候補者2人の立候補資格が取り消された。これに対し、若者を中心に中国政府への反発も増している。写真は香港の地下鉄。

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2016年8月5日、来月4日の香港立法会(議会)選挙を控え、中国による締め付けが強まっている。選挙管理委員会はこのほど、中国からの独立を唱える「本土派」の候補者2人の立候補資格取り消しを決定した。これに対し、若者を中心に中国政府への反発も増す一方だ。

香港立法会は定数70人で、議員の任期は4年。直接選挙と職能団体選挙に35人ずつ配分される。12年9月の直接選挙で「本土派」を含む「民主派」は約55%の票を獲得し、親中派の約40%を大きく上回った。

しかし。議席配分は民主派18で親中派17。民主派は候補者が乱立し、選挙協力も行われなかったが、親中派は中央政府駐香港連絡弁公室(中連弁)のリーダーシップで、組織票をうまく配分したとされる。

香港メディアなどによると、立候補資格を取り消されたのは、香港民族党代表の陳浩天氏と民主進歩党の楊継昌氏。

選管は今回の選挙から、候補者に「香港は中国の不可分の一部」などとする香港基本法(憲法に相当)の確認文書への署名を要求。陳氏は確認書への署名を拒否する一方、基本法を守るとした立候補申請書類には署名したが、選管は「独立の主張を続けている」と判断した。楊氏はいずれも署名しなかったが、署名を拒んでも出馬が認められた候補者もおり、一部だけを狙い撃ちにした今回の措置は、物議を醸す可能性もある。

「一国二制度」の下、高度な自治が認められているはずの香港では、17年に実施される行政長官(香港のトップ)をめぐり、14年8月、中国政府が自由な立候補を阻む措置を決定。民主化を求める学生らが中心部に座り込む「雨傘運動」が繰り広げられた。その後も民主化勢力は勢いを増しつつあり、2人の立候補資格取り消しは、これを抑え込もうとする中国政府の意向が強く働いているとみられる。

米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(中国語電子版)によると、1997年の中国返還19周年に合わせて6月に香港で1000人強を対象に実施された世論調査で、「中国の国民であることを誇りに思う」と回答した人の割合は前年同期比7ポイント低下の31%で、返還以来最低となった。「誇りに思わない」は、返還以来最高の65%。前年同期に比べて9ポイント上昇した。

「誇りに思わない」と答えた人の割合は、18歳から29歳で特に高く86%に達した。「誇りに思う」は10%にとどまった。50代以上でも「誇りに思う」は半分以下の44%だった。

中国政府の香港政策を「評価する」は27%、「評価しない」は38%。「評価しない」は99年以来最高になった。香港メディアは「中国政府による香港への圧力が日増しに強まり、『一国二制度』への疑問が拡大して若い世代ほど中国政府への反発が強い」と伝えている。(編集/日向)