初戦で大島からのアシストで1ゴールをマークした南野。大島とのコンビネーションにも大きな手応えを得ているようだ。写真:JMPA/小倉直樹

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 実に鮮やかな連係だった。左サイドの中島翔哉が中央の興梠慎三へパスを送ると、興梠はダイレクトで中盤の大島僚太へリターン。その後、最終ラインのギャップに入り込んだ南野拓実にスルーパスが通り、南野は冷静にGKの股下を通して同点ゴールを挙げた。
 
 1得点目のPK獲得のシーンも、ペナルティエリア内に侵入した大島から南野へとパスが渡り、ファウルを誘発したものだった。“想定外”の打ち合いになった試合において、「南野―大島」のホットラインは数少ない光明に挙げられるだろう。南野は背番号8を纏う小さなゲームメーカーに絶対の信頼を置く。
 
「僚太くんは僕の欲しいところでボールをくれる。僕のポジショニングも常に見てくれているので、個人的にすごくやりやすいです」
 
 もっとも、得点シーン以外に大島からパスを受けてフィニッシュに持ち込んだ場面がなかったのもまた事実だ。本人もそれは自覚しているようで、「ゴールを取れたことは良かった」としつつも、すぐに反省の弁が口を突いた。
 
「僚太くんから良いパスが来た時に、自分がそこでどうゴールにつなげるかというところでは、物足りないものを感じています。特に後半は、マッチアップする相手に引っかけられることが多かった。良い距離間でボールを動かせている時に、ペナルティエリア内に侵入していくための工夫が少なかったと思うので、そこは改善していなかいといけない」
 
 一方の大島も、チーム4点目の鈴木武蔵のゴールも演出し、計3得点に絡む活躍だった。しかし、「ボールを取った時に視野を変えたら、(インサイドハーフの)僚太くんと(原川)力はいつでもフリーになっていた」(南野)なかで、後方からのパスが精度を欠き、試合途中からナイジェリアの英雄ジョン・オビ・ミケルにマークされたこともあり、徐々にボールタッチの回数は減少。66分には藤春廣輝へのバックパスをミケルにかっさわられ、カウンターからダメ押しの5点目を許してしまった。
 
「点を取れたことは自信になりますけど、僕のバックパスをハルくん(藤春)のとこで取られて、そこから失点している。得点よりも失点に目を向けてやっていかないと失点は減らないと思うので、ナイジェリア戦の反省を次に生かさないといけない」
 
 早くも崖っぷちに立たされた手倉森ジャパンだが、2日後にはコロンビア戦が控えているため、気持ちを切り替えて前を向くしかない。大島が「良いリズム(間隔)で試合があるので、落ち込んでいる時間はないという話はロッカールームでありました。反省しつつ、自信を持つべきところは持ちたい」と話せば、南野も「逆にやるしかない。残り2試合に勝てないわけではないので、自分たちを信じてあとふたつ勝ってグループリーグ突破を決めたい」と呼応する。背番号18と背番号8のホットラインが、コロンビア戦で火を噴くことに期待したい。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)