『シン・ゴジラ』フィーバーが続いているが、こっちも負けてはいない。『ウルトラマン』生誕50周年記念企画『ウルトラマンオーブ』も絶好調だ。今年の夏は特撮が熱い! 先週放送の第4話「真夏の空に火の用心」は見ているだけでアチチとなるエピソード。


上昇する気温のせいでぶっ倒れる人が続出、SSP(Something Search People)のジェッタ(高橋直人)とシン(ねりお弘晃)もすっかりバテ気味だ。キャップのナオミ(松浦雅)だけはキビキビとバイト中。

そんなとき、突如空中に巨大な火球が現れる。どうやらこいつが暑さの原因らしい。食べていたアイスを吹き飛ばされたクレナイ ガイ(石黒英雄)はウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンに変身! スペシウムゼペリオンはウルトラマンとウルトラマンティガの力を借りた姿だ。これがウルトラマンオーブの基本スタイルだから忘れないように。

空中に浮き、火球めがけてウルトラ水流ならぬオーブ水流を放つウルトラマンオーブ。それをSSPの面々が下から見上げるカットが新鮮だ。遊園地の観覧車と同じぐらいの高さでフワフワ浮いているウルトラマンの巨大な下半身。『シン・ゴジラ』の予告にも使われた、巨大な尻尾を下から見上げるカットにも通じるものがある。

『ウルトラマンオーブ』には、ウルトラマンシリーズにはつきものの“防衛隊”が登場しない。実際はビートル隊という地球防衛隊が存在するのだが、前面には出てきていなくて、SSPの3人の目線で物事が進む。

防衛隊ならスーパーメカで出動し、巨大な怪獣だって迎撃できる。つまり、怪獣と同じ目線に立つことができるのだ。しかし、SSPはただの一般人で、装備もすべてDIY。ビデオカメラ片手にビルの隙間から怪獣を見上げることしかできない。怪獣は巨大感を増し、瓦礫は容赦なく吹き飛んでくる。この怪獣を見上げる目線からもたらされるリアリティと迫力が『ウルトラマンオーブ』の特徴の一つだ。

オーブの奮闘むなしく、火球は勢いを増すばかり。分身を作り、360度から一斉射撃するスペリオン光線というスーパー必殺技も放つが、それでも火球はビクともしない。せめて火球を地球から遠ざけようと宇宙空間に運び出すが、途中で力尽きて地上に墜落してしまう。

変身が解け、苦悶するクレナイ ガイの元に現れる宿敵ジャグラス ジャグラー(青柳尊哉)。「何をしている。こんなものじゃないはずだ」「どうした、もっと俺を楽しませてくれ」と意味深なことを言いながらさらにガイを痛めつける。ひどい。二人の因縁は徐々に明らかになっていくはずだ。

風来坊ヒーローの基礎知識その1&その2


ガイはSSPに助けられ、オフィスで介抱される。ウルトラマンオーブが消えた場所に倒れていたガイを見て、オーブ=ガイじゃないかと疑うジェッタの考え方は当然だが、シンは質量保存の法則を持ち出して否定する。うーん、そういう考え方もあるか。

献身的に介抱を続けるナオミに「俺に構うなと言っただろ」と言い放つガイ。陽気なお兄さんのようでいて、こういうところは風来坊ヒーローらしい。自分とかかわれば、相手も危険に巻き込んでしまう。そのことは過去の壮絶な経験から本人が一番良くわかっているのだ。これは設定などに関係のない、風来坊ヒーローの基礎知識の一つである。

ビートル隊のゼットビートル(科学特捜隊のジェットビートルそっくり)からの冷却弾乱れ撃ちも火球には効かない。それもそのはず、火球の正体は魔王獣マガパンドンだった。あの『ウルトラセブン』の最終回に登場してセブンを苦しめた火を吹く双頭の魔獣・パンドンのバージョンアップ版だ。

ガイはウルトラマンタロウとウルトラマンメビウスの力を借りて、バーンマイトにフュージョンアップ! 熱さには熱さで対抗だ。巨大な火球を放つストビュームバーストで、火球の炎を吹き飛ばしてしまった。これは爆風消火の要領である。爆風のせいで乗っている車ごと吹き飛ばされるSSPの面々。PVのために体を張るこの姿勢(彼らは世界の謎を追うメディアを運営している)は、多くのメディアが見習うべきだろう。

正体が現れればこっちのもの。バーンマイトがパンチやキックを叩き込み、最後はスペシウムゼペリオンのスペリオン光線を叩き込んでフィニッシュ!

ナオミ、ジェッタ、シンのとっておきのアイスクリームを全部食べてしまい、いつの間にか去っていくガイ。BGMはちゃんとギターと口笛だ。これも風来坊ヒーローの基礎知識である。ラストカットに映り込むSSPの仲良さそうな写真がちょっと意味深。この3人にもドラマがありそうである。

さて、この記事が配信されている頃には放送が終わっている第5話は「逃げない心」。ゼットン星人とゼットンが登場するぞ! 見逃してしまったあなたには、円谷プロダクション公式チャンネル「ウルトラチャンネル」で1話まるごと見逃し配信中です。闇を照らして悪を斬る!
(大山くまお)