アドビは、企業のマーケティング動向をAdobe Marketing Cloudを活用して定期的に調査し、「Adobe Digital Insights(ADI)」として公開している。今回はリオ大会の開催を直前に控え、関連するデジタルトラフィックを分析、予測した。

まずアスリートのソーシャル上での言及数トップ10ランキングを調査したところ、日本からは唯一テニスプレーヤーの錦織圭選手が5位にランクインした。世界で最も多く言及された選手は、米国のテニスプレーヤーのセリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)選手だった。

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また、ADIの分析によると、米国人は2016年リオ大会に非常に興味を持っているものの、ジカ熱への懸念から、多くの人が自宅から観戦する予定であることが明らかとなった。

また、2016年上半期のリオデジャネイロと周辺の空港行きの国際線の予約数について分析を行なった。リオデジャネイロ行き航空便の予約数が全体的に減少したことに加え、リオ大会に向けて売り出されたチケット数は2014年FIFAワールドカップの2倍であったにもかかわらず、その際に見られたような予約数の増加が見られなかった。

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ソーシャルメディア上でのリオ大会の言及数をFIFAワールドカップ2014とソチ大会と比較したところ、開会式1か月前の時点で、1日当たりのソーシャルメディアの言及数は、リオ大会への言及は他のイベントを下回っていることが判明した。

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さらに、ADIはソチ大会とFIFAワールドカップ2014との比較から、リオ大会はある種の製品の売上高を約80%上昇させると予測している。

ADIのマネージングアナリストであるベッキー・タスカー(Becky Tasker)は次のように述べている。
「通常、大きなスポーツイベントに際しては人々の購買意欲が高まります。例えば、ソチ大会では、ウィンタースポーツ関連製品(フィギュアスケートの靴、ホッケー用品、スキー用品、スノーボード製品)の売上高が82%も上昇しました。リオ大会でも同様の傾向が期待されます」

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「ADIでは、2016年のリオ大会を『自宅で見る大会』と名付けました。ジカ熱が要因の一つと考えます。リオ大会とジカ熱に関するソーシャル言及を調査したところ、他国と比べ、特に米国での言及が多いことが分かりました。ジカ熱への懸念がブラジル訪問に大きな影響を与えている可能性があります」

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「今回は、多くの人がモバイルデバイスで観戦する、モバイル志向の大会になる見込みです。2か月前に公開したUEFA Euro2016に関するADIで、Euro2016は最もモバイル観戦が多いイベントになるという予測を発表しました。リオデジャネイロ行きの航空便の予約が低調であることを考えると、リオ大会のモバイル観戦が増えることは間違いなさそうです。マーケターが自宅で観戦する消費者をターゲットすべく、広告戦略を変えるかどうかに注目しています」

文/編集部