イ・ジョュンチョル監督とエースのキム・ヨンギョン(写真提供=SPORTS KOREA)

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リオデジャネイロ五輪の女子バレーボールで、1次リーグ初戦でいきなり対決することになった日本と韓国。韓国でも注目度が高く、「リオ五輪ライバル熱戦、女子バレー“宿敵”日本を超えればメダルが見える」(『イーデイリー』)、「女子バレー、五輪最初に試合、韓日戦の試練を越えろ」(『STNスポーツ』)など各メディアで大きく取り上げている。

韓国が今回の一戦を重視する理由はいくつかある。ひとつは相手が日本であること。バレーボールに限らず、サッカーや野球でもそうだが、韓国にとってあらゆるスポーツ対決で日本戦は特別なものとなる。しかも、4年前のロンドン五輪では3位決定戦で日本に敗れている。当時、韓国女子バレーはベスト4進出の快挙に沸いたが、その喜びも3位決定戦の敗北で吹き飛び、選手たちは涙に暮れた。

その雪辱を晴らし、初戦に勝利して弾みをつけたい。それが韓国の狙いで、チームを率いるイ・ジョンチョル監督も「メダル獲得への最初のボタンとなるのが初戦の日本戦だ。必ず勝つ」と、かなり前から初戦の重要性を説いてきたほどだ。

そのイ・ジョンチョル監督が選んだ今回のリオ五輪メンバーは超実力主義だと言われている。例えば韓国Vリーグの人気者で“バレー女神”の異名を持つコ・イェリムは選ばれなかった。一部のファンの間では代表待望論もあったそうだが、人気先行型の選手よりも実力重視で選抜。5月の最終予選を戦ったメンバーを軸にした。

「最高の成績を出すために変化よりも戦力の安定を重視した」とはイ・ジョンチョル監督の言葉。最終予選で韓国代表に選ばれ、「今後10年の韓国女子バレーを担う逸材」とも言われた イ・ソヨンはエントリーが12名だったため選ばなかったが、センターのヤン・ヒョジン、強烈サーブが武器のキム・ヒジンなど最終予選で活躍した不動のメンバーたちで固められている。韓国女子バレーボール界の“美顔ツインズ”のひとりでチーム最年少のイ・ジェヨンもしっかり名を連ねている。

そしてやはり、スーパーエースのキム・ヨンギョンだ。“100年に1人の逸材”、“世界最高のスパイカー”などと呼ばれ、最近は“女子バレー界のメッシ”とも言われるキム・ヨンギョンがチームのキャプテンを務める。

4年前のロンドン五輪3位決定戦で日本に敗れ、珍しく大泣きしたというキム・ヨンギョンが今回の日本戦にかける思いは強く、関係者たちの期待も大きい。「キム・ヨンギョンが韓国代表にいる今が、五輪メダル獲得のチャンス」と口を揃えているという。「今のチームはキム・ヨンギョンと黄金世代」と呼ぶ関係者もいるほどだ。

ただ、韓国メディアの報道によると、そのキム・ヨンギョンが本調子ではないらしい。

腰に違和感があるという。しかも、どうやらその違和感がブラジル入りしてからあるという。韓国女子バレー代表はオランダ遠征を経てリオデジャネイロ入りしているが、韓国メディアの報道によると、バス移動や練習場確保などで予期せぬトラブルに見舞われているらしい。

それも呆れしてしまうようなトラブルばかりで、イ・ジョンチヨル監督も「こんな大事な大会の前に、キム・ヨンギョンが交通渋滞など予想外の状況で腰を痛めてしまった」と不満を口にしているほどだ。

(参考記事:実は日韓戦どころじゃない韓国女子バレーのリオ五輪ドタバタ劇

そんなこともあって対戦前から日韓の神経戦は始まっていると報じる韓国メディアも多い。小指の負傷が伝えられる木村沙織についても「木村、韓日戦出場は不透明?」(『STNニュース』)と報じるところもある。韓国でも木村沙織への警戒心が強く、木村を封じることが勝利への条件としているところもある。

いずれにしてもメディアも過熱している女子バレー日韓戦。リオデジャネイロ五輪の開幕日にいきなり実現するビッグカードは、日韓の五輪ムードの盛り上げに一役買うことは間違いないだろう。

(文=慎 武宏)