■連載/阿部純子のトレンド探検隊

「赤プリ」の愛称で知られていた「グランドプリンスホテル赤坂」跡地に誕生した「東京ガーデンテラス紀尾井町」が7月27日にグランドオープンした。

 ホテルとなる「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」は、36階建ての高層ビル「紀尾井タワー」の30〜36階と、1955年に赤坂プリンスとして最初にオープンした別棟の洋館「赤坂プリンス クラッシックハウス」で構成されている。敷地内には居住区の「紀尾井レジデンス」、商業スペースの「紀尾井テラス」がある。

東京ガーデンテラス紀尾井町

●紀尾井タワー 30〜36階

【レセプション(36階)&スカイロビー(35階)】

 フロントは最上階に位置し、チェックイン、チェックアウトはカウンターや併設されたロビーラウンジでもできる。36階のフロントと階段で結ばれている、2フロア吹き抜けの35階「スカイロビー」は、巨大なガラス窓からの眺望と2フロア分のスケールが圧巻。夜景も楽しめる絶好のスペースだ。

紀尾井タワー

【客室(30〜36階)】

 客室数は250室で、プリンスホテル系列が運営する都内のホテルでは最も少ない。特筆すべきは、皇居、国会議事堂、東京タワー、東京スカイツリーなど東京の名所が望めるロケーションの良さ。眺望を活かすために、額縁のような演出で1枚の絵に見える大きな窓を設置。入浴中も景色が楽しめるようにスイッチ一つで透明になるバスルームの曇りガラスを採用するなど、デザインコンセプトである「Levitation(浮揚感)」「Framed Kaleidoscopic view(額縁で切り取られた万華鏡のような景色)」を堪能できる部屋になっている(下記画像は「デザイナーズ スイート」)。

紀尾井タワー 紀尾井タワー

 客室は「スイート」「グランドデラックス」「クラブフロア」「デラックス」の4つのカテゴリーに分類されている。窓際には腰かけたり、横になれるスペースの「デイベッド」と呼ばれる仕様の部屋があり、ここに寝転んで窓の外を眺めると宙に浮いている感覚になる。下記の画像は「クラブ デラックス キング」のデイベッドだが、スタンダードの「デラックス ツイン」にもデイベッドが設置されている部屋もあるので、希望する場合は予約の際に確認を。

紀尾井タワー

「スイート」「グランドデラックス」「クラブフロア」カテゴリーに宿泊しているゲストは34階のクラブラウンジを利用することができる。クラブラウンジでは専用のレセプションがあり、時間帯によって朝食や喫茶、カクテルが楽しめる。

紀尾井タワー

 ホテル内ではコミュニケーションツールとしてタブレットを導入。館内施設や観光などの情報、インルームダイニングのオーダー、レストラン予約、メールによるリクエストなど問い合わせを一括して行う。料金は「デラックス ツイン」「デラックス キング」で1泊室料、税別で6万3000円。部屋のカテゴリーや宿泊プラン、時期によって料金は異なるのでサイトや予約時に確認を。

【レストラン&バー(35〜36階)】

<WASHOKU 蒼天 SOUTEN>(35階)

 新感覚の和食を提供するメインダイニング。「ダイニングエリア」「SAKEバー」「寿司カウンター」「個室」で構成されており、シーンに合わせて利用できる。

WASHOKU 蒼天 SOUTEN WASHOKU 蒼天 SOUTEN

<オールデイダイニング「オアシスガーデン」>(36階)

 ホテル最上階にある空中庭園をイメージした、朝食からディナーまで対応するイタリアンテイストの洋食レストラン。随所にグリーンアートが施され明るく開放的な空間になっている。眺望がすばらしいので窓側の席がおすすめ。画像の席からは左下に国会議事堂、写真では切れてしまっているが右側に東京タワーが見えた。席によってさまざまな東京の風景が楽しめる。

オールデイダイニング「オアシスガーデン」 オールデイダイニング「オアシスガーデン」

<スカイギャラリーラウンジ「レヴィータ」><ザ・バー 「イルミード」>(35階)

「レヴィータ」はスカイロビー内に設置され、昼はラウンジ、夜はカクテルバーとして営業。ダイナミックな夜景が楽しめる。「イルミード」は4つのレストラン&バーの中で唯一窓がなく、外の風景と遮断されたプライベートな空間のバー。カウンターとテーブル席、個室がある。

【スパ&フィットネス(30階)】

 プール、ジム、バス、スパトリートメントのエリアを集約した「SPA&FITNESS KIOI」。

 ジムエリアは24時間の利用が可能で、有酸素マシーンは眺望が楽しめるように外向きに配置してある。20m×6mのプールは天井のほぼ半分がサンルーフになっていて明るい雰囲気。
ジェットバスも設置されている。

SPA&FITNESS KIOI SPA&FITNESS KIOI

 バスエリアは男女ともに温冷水風呂があり、男性用にはドライサウナ、女性用にはスチームサウナが設置されている。女性用の風呂には血行を促す効果のある炭酸泉を使用。湯上りにくつろげるスペースも確保されている。プールとバスエリアの利用は6:30〜22:00。

【スイス・パーフェクション スパ KIOI (30階)】

 スイス・モントレーを拠点とするコスメブランド「SWISS PERFECTION(スイス・パーフェクション)」は、細胞研究のノウハウを結集して作られた植物性セルラー化粧品。スイス・パーフェクションのフラッグシップスパがある「クリニック・ラ・プレリー」は欧州のロイヤルファミリーやチャーチル首相、マレーネ・デートリッヒ、グレダ・ガルボ、チャーリー・チャップリン、作家のサマセット・モームなど、半世紀以上に渡り、世界の要人やセレブ、トップアスリートがお忍びで訪れるアンチエイジングの聖地として知られている。

 クリニック・ラ・プレリー内の「スイス・パーフェクション スパ」は数々の機関からベストメディカルスパを受賞しており、スイス・パーフェクション スパ認定のトリートメントは、国内外の5つ星ホテルで採用されている。

 スイス本国のメソッドを忠実に再現したトリートメントとして国内で初めてとなる直営店が30階にある「スイス・パーフェクション スパ KIOI」。トリートメントルームは地上140mからの眺望が美しい開放的な空間になっており、リラックスしながら施術を受けられる

SPA&FITNESS KIOI

 メニューは「セルラー バイタリティ フェイシャル」(100分・5万8000円)、「セルラー ボディ デザイン」(100分・3万8000円)、「スイス・パーフェクション スパ KIOI」で最も満足度の高いプログラム「スパ スイートギャラリー ボディ&フェイシャル」(180分・6万3000円)など。和を意識したオリジナルメニューもある(価格はサービス料、消費税込)。

 8月31日まで「スイス・パーフェクション スパ KIOI」のセルラーエクストラモイストフェイシャルとボディートリートメントを組み合わせたオリジナルメニュー(150分)と、ラウンジでのフローズンカクテル、朝食、宿泊がセットになったプランも用意(サービス、消費税込み、宿泊税別/1室1名利用時1名あたり9万7220円〜、1室2名利用時1名あたり7万3460円〜)。

●赤坂プリンス クラッシックハウス

赤坂プリンス クラッシックハウス

「旧グランドプリンスホテル赤坂 旧館」として親しまれた、チューダー様式を基調とした洋館「旧李王家東京邸」は、1930年に旧宮内省内匠寮の工務課長であった北村耕造と技師の権藤要吉らによって建設された。1955年に「赤坂プリンス」として開業、2011年には東京都指定有形文化財に指定された。

 華麗な佇まいの洋館を、建設当時の詳細な資料などを基にして、照明器具や外壁などの主要部分を当時の状態に復元。館内はレストランやバー、チャペルなどに使われる多目的ホールと新しく増築されたバンケット、個室や控室として使う小部屋、中庭で構成されている。

赤坂プリンス クラッシックハウス 赤坂プリンス クラッシックハウス

【レストラン&バー】

<La Maison Kioi(ラ メゾン キオイ)>(既存棟1階)

 カジュアルフレンチをコンセプトにしたフレンチレストラン。カフェも併設しており、ドレスコードも設けていないので気軽に日常使いできる。テラス席はとても気持ちのいい空間でゆったりとした時間を過ごすことができる。

La Maison Kioi

<Bar Napoleon(バー ナポレオン)>(既存棟1階)

 赤坂プリンスホテルの時代からオールドファンに愛されてきたバーが復活。肖像画や帽子、地図、馬の置物などナポレオンをほうふつとさせるインテリアが配置されている。

【AJの読み】宿泊者以外でも楽しめる緑豊かな空間が都会に出現

 高層階にあるホテル&レストランの「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」からの眺望も素晴らしいが、敷地の高低差を活かし、パブリックアートや緑豊かな空間が多く配置されている「東京ガーデンテラス紀尾井町」は、ビジターとして訪れても、緑豊かで静謐な空間が都会の真ん中で楽しめる。敷地内の緑化率は45%で「赤坂プリンス クラッシックハウス」から清水谷公園に抜ける「ガーデン大通り」は「芽生えの庭」や「光の森」など木々や花に囲まれ、散策スポットや休憩スポットとしてもおすすめ。

宿泊者以外でも楽しめる緑豊かな空間が都会に出現

 柱や梁、筋交いなど骨組みを外部に露出したデザインが特徴のチューダー様式の洋館「赤坂プリンス クラッシックハウス」は、外観はもちろん、館内の随所にある優雅なしつらえも一見の価値がある。レストランや結婚式場としての用途がメインだが、食事やカフェを楽しむときはじっくりと建物も見学してみるのも一興だ。

宿泊者以外でも楽しめる緑豊かな空間が都会に出現 宿泊者以外でも楽しめる緑豊かな空間が都会に出現

 赤プリといえば、1983年に開業した丹下健三氏設計の新館は、私たちの世代には憧れのホテルだった。クリスマスシーズンの予約を取るのに苦労したことなど懐かしい思い出だ。2011年3月の営業終了後に、東日本大震災の被災者に受け入れ施設として開放したことも記憶に新しい。跡地は「東京ガーデンテラス紀尾井町」として複合施設となったが、昔ながらの高層ホテルの眺望を確保しつつ、旧グランドプリンスホテル赤坂 旧館の復元、商業エリア、そして緑あふれる敷地と、宿泊だけではないさまざまな魅力を持つ空間に生まれ変わった。

文/阿部 純子

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