渋滞に悩む中国では当局が対策に頭を抱えており、北京市では自動車のナンバープレート末尾の数字が偶数か奇数かで交通規制をかけるなど、走行台数を減らすことで解決を図っている。一方で「新たな輸送手段」によって解決を図ろうとする取り組みが動き出した。中国メディアの新華網は3日、「空中バス」が試験走行を始めたことを伝えた。(写真は新華網の3日付報道の画面キャプチャ)

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 交通渋滞に悩む中国では当局が対策に頭を抱えており、北京市では自動車のナンバープレート末尾の数字が偶数か奇数かで交通規制をかけるなど、走行台数を減らすことで解決を図っている。一方で「新たな輸送手段」によって解決を図ろうとする構想が動き出した。中国メディアの新華網は3日、「空中バス」が試験走行を実施したことを伝えた。

 同報道によれば、空中鉄道バス「巴鉄1号(TEB―1)」は河北省北載河区で試験走行を行った。同車両の特徴は横断歩道橋のような道路をまたぐような形にあって、車体の下を高さ2メートル以下の車両が走行できることだ。電力を動力源とし道路の右端と左端にあるレール上を走行する。大きさは全長22メートル、横幅7.8メートル、高さ4.8メートルで300人が搭乗可能だという。

 「巴鉄」の構想は2016年の春ごろに中国で話題となって、大きく注目を集めた。新華網の報道や中国メディア・人民日報の中国版ツイッター公式アカウントでは同車体は中国で設計・開発し知的財産権も中国にあると主張し、パクリでないことを強調した。一方で同国メディアの新浪新聞の4日付の報道で構想そのものは2010年から存在し、米国でも1969年に同じような構想が発表されていたことを指摘。構想が生まれてから6年以上構想であり続けたことや、実用性に問題があるとして米国のような発明や新しいことを果敢に試す国でさえ実現しようとしなかったことに言及し、実現性に疑問を呈した。

 同車両には期待が集まる一方で、投資詐欺なのではないかという疑念の声もあがっている。新浪新聞の同報道によれば背景には高配当をうたうP2P理財公司(ネット上で投資家と借り主を結ぶ金融サービスの提供会社)の存在があるという。「巴鉄は渋滞を防ぐ神器か、それとも投資詐欺か」との見出しの記事も目立つ。しかし実用化するとなればどんな疑問よりもまず、「巴鉄」の進行方向と下を走る自動車の進行方向が変わった時にどうなるのかという点が気になるところだ。

 問題を多く抱える「巴鉄」だが、渋滞を解決できそうな案があってそれをとりあえず試してみた中国の精神は見習うべきであろう。ただその精神性には事故がつきものだ。安全管理を徹底して事故を防ぐ体制が求められる。(編集担当:大平祥雲)(写真は新華網の3日付報道の画面キャプチャ)